鯰、何を見る?
もともと水田の多い土地。
今でも住宅地の間で稲作をやっているところがあって、わりと大きな水路がある。
そこにコイやナマズが泳いでいるわけだが、この朝、このあたりはナマズ。
写真の左上のほうにかたまって、小さな魚がいるが、これはコイの幼魚か。
やはり小さいので、まだら模様で水底にじっとしていて、ときどき動くのがいる。ハゼの類か。
石垣の下の窪みにいるナマズが、ときどき出てきて小魚を蹴散らしたりしているのだが
よく見ると、ナマズの顔はなかなか面妖だ。
なにが……というのは、たとえば眼。
光の具合もあるのだろうが、なにか白く濁っている感じがする。
その眼で見えるのか。
泥の中にいて、視力よりは音とか振動とか、そういう感覚で生きているらしいのだが。
濁り水足で掻きつつ聞きをれば雨夜に笑ふとふ鯰の話/河野裕子『紅』
ふふ。
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