永代橋
写真は2カ月ほど前になりますが、隅田川に架かる中央大橋にて午前7時ごろ。
出張に行った折のもので、午前5時に目が覚めてしまったので朝ごはんを求めて散歩しました。
スカイツリーに行ったことはなく、そんなに行きたい気持ちもないのですが、見えるとつい撮ってしまうわけで。賛否や好き嫌いはあるでしょうけれど、すでに東京の風景になっているのだなあと思いました。スカイツリーがテレビドラマに出てきたときに、ああ東京の風景になったんだな、と思ったことがあります。東京タワーが映画やドラマでさまざまな情緒を映したのと同じように、近未来的な姿形のスカイツリーも、今後しっとりといろんなものをまとっていくのかもな、と。
出張を終えてのちに読んだ松澤俊二著『プロレタリア短歌』の冒頭にこのような歌がありました。
あぶれた仲間が今日もうづくまつてゐる永代橋は頑固に出来てゐら 坪野哲久
1929年に詠われた歌だそうです。永代橋は関東大震災後に再建された「復興橋梁」である、と。なるほどなるほど……む、永代橋? どこかで見た字面だぞ…とグーグルマップで検索すれば、中央大橋の1本北、写真のこれが永代橋なのでした。覆いがかけられており、その全貌はまったく望めず。オリンピックに向けての整備工事のようです。
仕事にあぶれた人たちがうずくまっていたことがあった永代橋。びくともしない橋で、軽口っぽく皮肉を言い放って。
そのような歴史のある橋のそばを、朝ごはんを求めてぷらぷら歩く一人の姿など歴史にかすりもしません。が、安くておいしい朝ごはんにありつけたこと、それが何よりなのでした。
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