ブログ


永田さんの『メビウスの地平』(1975年・茱萸書房)と高安さんの『カスタニエンの木陰』(1976年・構造社)の装幀はよく似ている。目次の前に口絵が入っているところなども、そっくりである。
それもそのはず。この2冊はどちらも建石修志の装幀・口絵によるものなのである。建石は1949年生まれなので、どちらもまだ20代の頃の作品。のちに幻想文学系の本の装幀を数多く手掛ける建石の最初期の作品ということになる。
『カスタニエンの木陰』は高安国世の唯一のエッセイ集。「日本の古本屋」などにも多数出ていて、千数百円で買うことができる。高安さんの散文を読んでみたいという方にはお薦めの一冊。ただ、『メビウスの地平』はともかく、『カスタニエンの木陰』に建石修志の装幀は、まったく合っていない気がする。

コメントを残す

ページトップへ