山中伸弥・益川敏英『「大発見」の思考法』(松村)
今年1月に出た本の紹介です。iPS細胞の研究で世界をリードする山中氏とノーベル物理学賞を受賞した益川氏という、今、日本で最も有名な二人の科学者の対談をまとめた一冊です。
「大発見はコロンブスの卵から」「『無駄』が僕たちをつくった」「考えるとは感動することだ」「やっぱり一番じゃなきゃダメ」「うつと天才」「神はいるのか」といった章題からもわかるように、一般の読者向けに語ったものですので、生命科学や物理学を知らない人(私もそうです)でも十分に面白い内容となっています。
お二人ともディスカッションの大切さについて語っていて、それは短歌における歌会の役割とよく似ているように感じました。全体の構成を「塔」の永田紅さんが担当されており、最後には「傍聴録―あとがきにかえて」という3ページの文章も載っています。
2011年1月20日、文春新書、830円。
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