土手の花
机辺の仕事が行き詰まったり、一段落したりしたときには、ひとまわり走ってくる。夜は街灯のあるところだが、昼は川べりのコースが気持ち良い。
土手が華やか。
これはセイヨウカラシナか。
「セイヨウカラシナ」を、はっきり種名で詠みこんでいる作品は、案外少ない。探せばもっとあるのだろうけれど、私の手控えの中には3首。
川沿いにセイヨウカラシナ陽を溜めて黄を咲かせいる去年よりも殖ゆ/永田淳『湖をさがす』
俺の名を忘れたのかよ振り向けば川岸にどっとセイヨウカラシナ/前田康子『黄あやめの頃』
この岸もむかうの岸も黄に灯し西洋芥子菜まつりのごとし/喜夛隆子『国原の地図』
ところで、本当にこれはセイヨウカラシナか……と思って調べてみると、そんなに簡単なものではない。河川敷などに自生しているものは、主としてセイヨウカラシナとセイヨウアブラナだが、交雑もするからややこしい。
今日のこの一群の中にもいろいろあった。
花が房状にかたまっているのはアブラナ寄りの属性なのだとか。
コメントを残す