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カテゴリー "鈴木晴香"

みなさんこんばんは。鈴木晴香です。

京都市内から叡山電車で30分ほど北の方角へ向かうと、
鞍馬という駅に到着します。

急な坂を登って鞍馬寺を通り抜け、その先もずっとずっと、山を登るいっぽんの道を進むと、与謝野晶子・寛歌碑が現れます。


何となく君にまたるるここちしていでし花野の夕月夜かな  晶子

遮那王が背くらべ石を山に見てわが心なほ明日を待つかな  寛

ふたりの間に立つと、ありがたくて、恐れ多くて、ちょっと嫉妬されそうな気持ちです。

さらに進むと、鞍馬天狗が修行したという木の根道が広がっています。この辺りで野生の鹿に遭遇しました。

 

山を越えたその先、和泉式部で有名な貴船神社がゴールです。

もの思へば沢の蛍も我が身よりあくがれ出づる魂かとぞ見る 和泉式部

思っているより本格的な山。
私は変な虫(?)に刺されて1ヶ月くらい負傷してしまいました。

 

みなさんこんにちは。鈴木晴香です。

先月のこと、
岩手県北見市の日本現代詩歌文学館に行ってきました。
詩歌の蔵書を閲覧したり、展示を見学したりできるという夢の館に、ついに足を踏み入れることができました。

現在の展示は「賢治に献ずる詩歌」。
2023年は宮沢賢治の没後90年、24年には生前唯一の詩集『春と修羅』の刊行から100年を迎えるという節目の年の企画ということで、
賢治の作品からインスピレーションを受けた短歌、俳句、詩、絵画の作品が飾られていました。
すべて直筆の作品で、その表現方法に作家の工夫が込められたりしていて、
表現の可能性を感じる展示でした。

敷地内にある「山口青邨宅」も案内していただきました。訪問者は私一人だけなのに、細部まで丁寧に解説してくださったのです。なんだかずっとここに住みたいような心地でした。

宮沢賢治も石川啄木も岩手県の出身。
そのほかにも、北上駅前には若山牧水の歌碑があったりと、ここは詩歌の郷なのですね。

幾山河越えさり行かば寂しさのはてなむ国ぞ今日も旅ゆく

父の故郷が詩歌に溢れていることに、私は嬉しい縁を感じたのでした。

みなさん、こんばんは。鈴木晴香です。

浅草の三筋町なるおもひでもうたかたの如や過ぎゆく光の如や/斎藤茂吉

明治29年、当時15歳の斎藤茂吉は山形から上京し、浅草区東三筋町の養父の元に寄寓しました。
この場所が私の故郷から近いことを知り、先日訪ねてみました。

歌碑が建てられている場所は、現在はみすじ保育園の園庭。
許可をいただいて、近くで見せてもらいました。

周りに植木鉢がいっぱい置かれていて、
もしかして雑に扱われているのかなと思ったけれど、
そうじゃないんだ。
春になるときっとこの歌碑が色鮮やかな花に取り囲まれるんですね。

はるかなる国とおもふに狭間(はざま)には木精(こだま)おこしてゐる童子(どうじ)あり/斎藤茂吉『遍歴』

みなさんこんにちは。鈴木晴香です。

昨日7月23日(土)、現代歌人集会春季大会 in 神戸に参加しました。
私は理事を務めておりまして、受付や写真撮影を担当していました。

今回の大会テーマは「歌の読み方・読まれ方〜震災からコロナまで〜」。
松村正直さんの講演や、笹川諒さん・平岡直子さん・山下翔さん・江戸雪さん(進行)によるパネルディスカッションを通じて、
読み方・読まれ方の時代による変化や、歌を読むことが読者にもたらす変化、読者による読みの違いについてなど、さまざまな観点から考える時間となりました。

笠木拓さん(第46回)、北辻一展さん・笹川諒さん(第47回)の現代歌人集会賞授賞式も開催されました。
北辻一展さんには塔短歌会から花束が贈られました。プレゼンターは中井スピカさん!

こんばんは鈴木晴香です。
大阪中之島美術館・開館記念『Hello! Super Collection 超コレクション展』に行って来ました。
西洋絵画も日本画も大阪にゆかりのある画家の作品も写真もポスターも家具もあって、確かにこれは「超」です。

佐伯祐三《郵便配達夫》

佐伯祐三《郵便配達夫》1928

 

美術館の建物も印象的でした。外観は真っ黒な箱でびっくりするような存在感なのですが、中に入ると雰囲気が一変。天井が高くて、パッサージュと呼ばれる自由な通路があって、エスカレーターが自在に交差していて、ダイナミックで開放的。
つぎのコレクションも楽しみです。
大阪中之島美術館

こんばんは。鈴木晴香です。

「菅原家一系三神を祀る延喜式内社の日本最古の天満宮」という菅原天満宮(大阪)に行ってきました。
行ってきたというより、わたしの住んでいるところのほんとうに近くにあって、出かける時には必ず前を通るのです。

住宅街の中にひっそりとあって、敷地もほんとうに小さいのですが、
すこし高台になっているそこに吹き抜ける風がさわやかで、神聖な雰囲気。

道真公の産湯池と伝えられる遺跡も神社の近くにあります。そして今は、梅もきれい。

菅原道真公は、勉学もそうですが、詩歌、文筆の神様。
歌人として、こんな由緒ある場所に住んでいるなんて、
これからもますますいい歌を詠める予感・・・!

こんにちは。鈴木晴香です。

なべとびすこさんと、天野慶さんの作ったカードゲーム「57577(ゴーシチゴーシチシチ)」(幻冬舎)。Twitterでも話題になったりしています。

注文したけどまだ手に入れていないので、その前身となる「ミソヒトサジ」を出してきて、久しぶりに遊んでみました。

遊び方はいろいろあるのですが、とにかく5音のカードと7音のカードを並べて歌を作ろう!というものです。

適当に引いてできたのが、こちら。

野晒しのタンスの角で火をつけてゆとり世代の実行委員

ゆとり世代の柔軟さと風に晒される悲哀がないまぜになったような歌です。「野晒しのタンスの角」なんて、絶対に自分では作れないような飛躍がありますね。

これなら、誰でも楽しく短歌を作ってみることができるし、やっているうちに、自分でも5音や7音のカードを書いて追加してみたくなります。そんなわくわくが短歌の創作につながりそうです。

私は句またがりが好きなので、そういうことが可能なジョーカー的な、アクロバティックなカードを追加したいです。

こんにちは。鈴木晴香です。

寺本愛さんの個展、PROMENADEを見てきました。

場所は、東京駅構内にあるVINYLという雑貨屋さんです。

絵の中の人々は、これから行く先を指さしたり、
足跡を残して向こうへ歩いていたり、
すでに肉体も心もここではないところへ重心を移しています。

様々な人々がどこかを目指して行き交う東京駅で、この一瞬にすれ違う人々もまた、絵の中の登場人物のように思えるのでした。

こんばんは。鈴木晴香です。七夕でしたね。

『塔』6月号、上杉憲一さんによる連載「わたしのコレクション 星の歌」では、七夕の歌が特集されていました。

クレヨンでうちゅうひこうしになりたいと書かれた短冊天文館に/上杉憲一

織姫にとっては、自分の方へ向かって飛び立とうとする、新たな星を発見したような気持ちではないでしょうか。

私も短冊を書きました。

「早く大人になりたい。」

切なる願いです。織姫も忙しいです。

 

みなさんこんにちは。鈴木晴香です。

相国寺承天閣美術館に「若冲と近世絵画」展を観に行きました。

若冲の絵の中には、リアルに描かれるところと、デフォルメして描かれるところ、漫画のように描かれるところが混ざり合っていて、その中に不思議な生命力を感じました。
葡萄の木など、蔦や枝が異様に絡み合っていて、本物の葡萄以上に、

生きている!

という感じがしました。

相国寺は静かで、いつ行ってもいいところです。
外国の教会とお寺の違いは、境内に庭がある、というところだな、と突然思い当たりました。
緑や石や苔に包まれた庭を歩く道が、異世界への入り口になっているのだと。

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