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カテゴリー "真中朋久"

5月の第2日曜日は母の日であるらしい。

昨日の鴨川。
カルガモにも今年生まれた子どもたちがいて、ちょこちょこと泳ぎまわっている。
もう一羽、近くに大きいのがいるが、たぶんこれが母親だろう。

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土屋文明に「母の日に」という5首がある。

幼きが母ことほげばその母は老いたる母を尊むを見る/土屋文明『青南集』

これが一首め。
あとに続くのが、いろいろ苦労した土屋文明らしい。

生みし母もはぐくみし伯母も賢からず我が一生恋ふる愚かな二人
母に打たるる幼き我を抱へ逃げし祖母も賢きにはあらざりき
乳(ちち)足らぬ母に生れて祖母の作る糊に育ちき乏しおろかし
我が見たる四つの世の母世につれて少しづつましな生きざまするや

母や祖母が愚かだったのか。
男どもが、彼女たちの重荷になって、愚かにふるまわざるを得なかったということはないか。
あるいはまた社会が。

いろいろ考えさせられることだ。

女も男も

「少しづつましな生きざまするや」
 
どうだ?

近所の川にいるのは、だたいミシシッピアカミミガメ。
ミドリガメが大きくなったやつ。
飼えなくなって捨てられたりしたのが、どんどん繁殖している。
 
そして、春は繁殖期なのだろう。
大きいのが♀。小さくて前足の爪が長いのが♂。
♂のほうからさかんにアプローチしている。ときどき、♀の顔の前でぷるぷると前足をふるわせる。

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しかし……
どうも、気に入ってもらえないようで。

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ぐいっと押しのけられてしまった。
 
残念。
 
というよりも、なにか身につまされる。

どこへとも言ふ必要も人もなくこの池の端に亀を見てゐる/永田和宏『午後の庭』

ぶんぶんとんでいる。
保育園の表札というか木の板の大きな看板のまわりをハチがとんでいる。

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キムネクマバチだ。
このハチは木に穴をあけて巣をつくる。
この場所が巣にできるかどうか吟味しているのだろう。

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しばらく見ていたら、飛び去っていった。
おとなしいハチで、よほどのことがなければ人間を刺したり威嚇したりすることもないが
場所が場所なので、ハチの巣は困るだろう。

これは以前にも「八角堂」で紹介した作品。

軒の《たるき》に穴を穿ちたる熊蜂がをりをりにして帰りくる音/岡部文夫『寒雉集』

《》は傍点

連休前半は雨が降ったりして気温も低かった。
ようよう晴れて気温があがってくる。

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雨樋にすずめの頭うごくみえ水浴びすらし昨日のあめに/中野昭子『夏桜』

雀でなくても水浴びしたくなるような気分。

ここは大阪・土佐堀川。
潮が満ちてきて、護岸の段のとろろがちょうどよい深さになった。

きょうの鴨川。
中洲でカラスがかちゃかちゃやっている。

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あき缶。ビールか発泡酒の缶だ。
ひとしきり声をあげて、またひとしきり缶をつついたり、ころがしたりする。

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もちあげたり、水に浮かべたり、なかに入った水を出したり。
 
遊んでいるのか。
なかに隠れてる生き物を狙っているのか。

人棲まぬ庭に渋柿たわわなり道端に鴉は缶つつきをり/榎幸子『わがものならず』
ジョージアの空缶をつつく鴉見ゆ再(ま)た死角より光は差さむ/高島裕『嬬問ひ』

呼んでるわけではないのだが、岸辺に立つと集まって来る。
いつも、ここに立って餌をやってる人がいるだろう。

で、私のほうに向かってきたのが、つつつと右のほうへ逸れてゆく。
餌をやる人が来たのだ。

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ここは埼玉。所用のついでに大宮公園まで足を伸ばしてみたが、
水鳥を見ていたら、ここへ来た目的を忘れてしまった(というか時間がなくなった)。

またそのうち来ることにしよう。

近くに来ているのはオナガガモの雌雄数羽。
その向こうにオオバンと、おそらくキンクロハジロ。
 
このあと、餌をやるひとのまわりでは、
入り乱れてわあわあと。

池のべにわが佇つ影を乱しつつ浅瀬の真鴨餌を漁るのみ/武田久雄『寒の水』

マガモもいたが、数は少なかった。

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満足した?

大阪・中之島は、堂島川と土佐堀川にはさまれたところ。
冬になると、渡り鳥がやってきて、少しにぎやかになるのだが、ここのところ数を増やしているのはオオバン。
水鳥のうち、半分ぐらいはオオバンではないかと思う。

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まっ黒な身体に、鼻筋だけが白い。

ぬばたまの黒き鳥なるオオバンの額(ぬか)のみしろく神は創(つく)れり/梅田啓子『ふたりご』

理由があるとすれば、同族であることが、すぐにわかるというぐらいだろうか。

水の上にぷかぷか浮いているが、潜水も得意。
カモの仲間ではなくて、ツル目クイナ科だそうだ。

趾がちょっと面白い。
指の間に水かきがあるのではなく、指それぞれがすこし幅広くなっている。

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正月の休みに、ひさしぶりに動物園に行ってみた。

子どもが小さい頃には何度か行ったが、その子どもも成人して、
大人だけで行く動物園だ。

次のつぎの日曜午後と言い合わす大人ばかりで行く動物園/石本照子『山法師』

子どもと行くと、どうしても子どもを楽しませることに関心が行ってしまう。
危なくないように気をつける。
 
だから、動物園に行っても、案外動物を見ていない。

それが、大人だけならば、けっこうじっくりと見ることができて、いろんな発見もある。

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何度も見たように思っていたが本当はこんなに繊細ゼブラの縞は/同

まことに。

ことに足先など、だんだん細かく、きゅっとひきしぼられるような感じにもなる。

実家の庭の池。コンクリートにタイル張りだが、どこかに割れ目があるらしく、最近は水位低下がいちじるしい。
そこに、ヒキガエルがいるのだが、あのずんぐりした身体で、一度入ったら出られないのではないか、と心配になる。
垂直の壁で、けっこうな高低差がある。

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どうしたものかと思いながら、網ですくって外に出してやるのだが、
しばらくするとまた池の中に戻っている。

何度か救出を試みたが、やはり戻っている。

たしかに、水のあるところを好むのだろうが、これからさき、霜が降りたり氷が張ったりする。
冬眠はどうするのか。

そういうことを思ったので、とりあえず斜めに丸太をさし入れて、そこをたどれば外に出られるようにしておいた。

あるとき、べつのところで出会ったのはこの場面。
ネコがヒキガエルをいたぶっている。

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ヒキガエルは背中に毒腺があるから、触ったりするとネコの手……それを舐めたり目をこすったりすると面倒なことになるらしいのだが……ヒキガエルのほうも簡単には触らせない。けっこうな高さというか飛距離をジャンプして逃げていった。

なるほど、そのくらい跳べるなら、池の底に足がかりさえあれば、脱出できるのかもしれない。

何か居そうな木下の闇を覗いたらやはり居ました大ひきがえる/岩切久美子『湖西線』

土佐堀川。冬鳥が飛来してくると、また賑やかになるが、今のところはアオサギ、カルガモ、カワウといったところ。

そのカワウの潜水時の動作を順を追ってみる。

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まず、そもそも浮いていない。
カモやハクチョウは胴体が水面に出るが、カワウの場合には、そうならない。
水面に出ているのは、ほぼ首だけ。

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その首を、いったん大きく伸ばす。
胴体もいくらか水面に出して、勢いをつけ

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みずかきのある趾をそろえて水中に滑り込む。
 
水中で泳いでいる様子は、透明度の高い浅い川に潜っているときとか、水槽で観察することができるが、基本は趾で水をかいて進むところが、翼で水をかくペンギンなどとはちょっと違う。
カイツブリはカワウと同様に趾を使う。
 
 
 
そういうわけで、浮くことよりも潜ることに生活がかかっているカワウ。
羽毛のあいだに空気を保つよりは、ぴったりと肌に寄せて余分な浮力を持たないようにする必要がある。
濡れてしまうということもあるのだろう。

しばしば、翼をひろげてじっとしている。
あれは濡れてしまった羽を乾かしているのだろう。

草枯れし中洲につばさを拡げ立つ川鵜の黒し夕日の中に/田附昭二『造化』

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