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カテゴリー "真中朋久"

先々週、ヤブカラシに集まる虫のことを書いたが、その後もいくつか見つけたので追加しておく。
 
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コガネムシの仲間の中でも、花の蜜や花粉を好むのがハナムグリ。
大きな花ならば潜り込むようにしているのがその名の由来だろうが、ヤブカラシは潜り込むところもない。

夕光(ゆうひかり)の微粒子に部屋つつまれしかばハナムグリの愉悦を理解す/永田和宏『饗庭』
子の腕にあやうく把まるハナムグリ虫もなつくと撫でられにけり/花山多佳子『草舟』

ハナムグリの一回り小さいものに、コアオハナムグリというのがいる。
これも、大きさからすると小さいほうかもしれない。

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ハチ・ハエ・アブは種類が多くて、はっきりと同定するのが難しいが、これはアブ。
花の蜜を好むハナアブのなかでも、たぶんヒラタアブと呼ばれるもの。
ヒメヒラタアブではないかと思う。

秋口のやはき日差しに山茶花に扁虻(ひらたあぶ)ゐて羽音ひびかす/外塚喬『火酒』

亀というと、だいたい日向ぼっこしていたり、あまり激しい動きをしないものと相場がきまっている。亀の出て来る作品の多い永田さんの作品も、大方は微睡んでいたり、動かなかったり。

ぼうぼうと物を忘れて生きゆくもおろそかならず日盛りの亀/永田和宏『百万遍界隈』

だが、これは何だろうと思ったのがこの写真。近所の川は両岸をコンクリートで固められていて、ところどころに低い堰堤がある。
その堰堤に向かって泳ぎつづけている2匹。わずかな落差ではあるが、堰堤の滝を越えようとしているのか。

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この情景に添えるなら、永田さんの作品の中では、これか。

水の面に首伸べて亀が泳ぎいる頑張れアリナミンVドリンク/永田和宏『日和』

泳ぎつづけて、堰堤を乗り越えることができたら栄養ドリンクのCMになりそうだが、さてこの亀たち、どうなったか。そんなに長く見ているわけにもいかなかった。
 
この川にいるのは、だいたい外来種のミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)。たまにクサガメもまじっている。
魚のほうは、コイが8割、ナマズが2割ほど。

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どうやら近所の人が餌をやっているらしく、岸の上に人影が見えると、コイやナマズ、カメもわらわらと集まってくる。
そんななかで、この日、堰堤を越えようとしていた2匹のカメは、われ関せず、泳ぎつづけていたのだが。
 
そういえばコイが滝をのぼると竜になると言われているが、
カメが滝を登ったら何になるのか。

という話をあるところでしたら、
「ガメラ」
とか、
東洋のことだから「玄武」じゃないか? とか。

とはいえ、それは千尋の滝を登ったらということであって、この程度の堰堤では竜に相当するものに変化することもないだろう。
 
   *
 
やはり近くの別の川に住んでるもの。
クサガメとスッポン。

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クサガメは甲羅に三本の稜があるのが特徴。
スッポンは甲羅がやわらかく、鼻先がとがっている。

通勤経路の植え込みであったり空地の草むらであったりするところに、ヤブカラシがはびこっている。刈っても刈っても生えてくるというのは、しつこいとも、逞しいとも言えるが、夏のあいだは小さな花をつけていて、よく見るとそれなりに可憐な感じでもある。

やぶからし小花摘みつつ遊びいし少女のわれなどいたのだろうか/川本千栄『樹雨降る』

 
そんな小花を摘んでいた記憶が、かすかにある。まったく記憶にないことを、周囲の大人だった人たちから聞かされる。
はるかに遠くなって、懐かしむことすらできない……というところか。
 
だいたい、大人になったら、そんなものには見向きもしない。雑草わどんどん刈り取ってゆくほかはない。
 
のだが、立ち止まって、眺めていると面白い。
ずいぶん、いろんな種類の虫たちが、この小さな花に集まってくる。
わからないものは写真を撮って図鑑をあたり、それでもわからないものもある。

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左上はミツバチ。たぶんセイヨウミツバチだろう。
右上はスズメバチ。さすがに恐ろしいので、刺激しないように撮影する。ご尊顔を正面から確認することができなかったが、おそらくオオスズメバチ。いや、都会にいるのはコガタスズメバチか(これもけっこう大きい)。
左下はわからない。セグロアシナガバチというものがいるらしいのだが、それにしても黒い。
右下はウリハムシか。名前は「ウリ」で、畑の害虫だが、花の蜜も好むのだとか。
 

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ハチとは別の意味で嫌われ者だが、ハエ。
左はクロバエのなかまでオビキンバエか。
右はニクバエ。
 
ということで、ヤブカラシのまわりは、けっこうにぎやかだ。

この家にひとり残るのは嫌なのだひと夏をかけて繁るヤブカラシ/永田和宏『後の日々』

初夏のころ、たくさんいたテントウムシがぱたっと少なくなった。
暑さにそれほど強くないらしく、盛夏期にはもの陰にかくれてじっとしているのだそうだ。

先日、ひさしぶりに見かけたナナホシテントウは、歩道のうえを歩いていた。
こんなところにいたら踏んでしまう。

天道虫を朝の歩道に蹴飛ばしてかがやく夏の図書館に入る/西勝洋一『サロペツ日誌抄』

蹴とばすというのは、難しかろう。
しゃがみこんで写真を撮っていたら 
 
びゅん
 
と、自転車が横をすり抜けていった。

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指につかまってもらって、植え込みのほうへ移したが、さてこのあとどうするつもりだろう。
 
   *
 
ナミテントウ や ナナホシテントウ にかわって、しばらく草むらで活動していたのは、ヒメカメノコテントウ。
ふつうのテントウムシに比べて、かなり小さい。3mmぐらい。
テントウムシにいろんな種類がいることを知らないと、テントウムシだと気が付かない。これも、ナミテントウのように、いろいろな模様のものがいる。模様が違っても仲良くしているのは同じ種類。
 
これもアブラムシを捕食する。

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   *
 
アブラムシを食べてくれるなら益虫だが(といって、食べ尽くしてしまったら生きていけなくなるので、適当なところでバランスしてしまう)、農作物の葉を食うやつもいる。
 
ニジュウウヤホシテントウとかオオニジュウヤホシテントウとか。
テントウムシダマシとも呼ばれるが、分類としては、テントウムシのなかま。

テントウムシダマシは棄ててテントウムシだけを溜めをり小さな瓶に/花山多佳子『胡瓜草』

毛が生えていてつやがない。かわいくない。だからいらない……ということかもしれないが、畑とか家庭菜園をやるなら、これは逆。テントウムシダマシはつかまえて殺してしまわないと畑を荒らされる。
 
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これはたぶんニジュウヤホシテントウ。
 
ナス科の植物(ナス、ジャガイモ、トマト……)の葉を好むので、畑で見ることが多いが、ここは幹線道路の植え込み。
ちょっとおどろいたが、雑草として生えているイヌホオズキはナス科。

こういうところなら、草取りするぐらいのつもりで食べ尽くしてもよいのだが、なんとも行儀悪くあちこち食べちらかしている。
 
こういうのも、立ち止まって撮影していると「なにしてますの?」と声をかけられたりする。
よほど挙動不審に思われるのだろう。

全国大会は、スタッフのみなさんのおかげで、大きなトラブルなく終了。

おつかれさまです。
ありがとうございました。
 
koriyama
 
歌会トーナメントは本編だけでなく、夜になってからも、大いに盛り上がったとか。
玄侑宗久さんの講演も、みなさん大いに moved されたのではないでしょうか。

夜の懇親会、そして2日めの歌会。「『塔』ができるまで」ムービーの上映……

有意義な2日間でした。

オプショナルツアーに参加のみなさんは明日も続くのでしょう。
それぞれ個人的なオプションで旅を続ける人もちらほら。
 
かくいう私は、旅というほどの時間はとれないものの、往路とは別ルート。
西之原さんがきっぷの写真を出していたので、私も。

JR西日本の窓口の人には???だったようで、何度も聞き返されたりしながら打ち込み。
持参したメモは「参考のためにコピーさせてもらえませんか」とのこと。

そんなにややこしいか?と思わないでもないですが水郡線経由。

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じつは、まだ「途中下車」中。
東京で3日ほど仕事をしてから大阪に戻ります。

通勤経路であったり、ときどき行く出張先までの道みち、草むらがあって、花が咲いていたり、いろいろな虫がいる。このところはテントウムシ。
 
足をとめて写真を撮ったりしていると、通り過ぎてゆく人に怪訝そうな顔をされたりすることもある。
 
テントウムシの代表的なのはナナホシテントウとナミテントウ。ナミテントウは星が2つのもの、4つのもの、もっと多いものであったり、ナナホシテントウに似て赤い地に黒い星であったりする。先日は多星タイプのナミテントウも見たが、すぐに逃げられてしまった。

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テントウムシの歌はたくさんある。その一部を。
 

斑(ほし)ぼしを七つ数へて掌(てのひら)ゆ発たせてやりぬ春の天道虫(てんたう)/河野裕子『歳月』
風立ちて昏れゆく海に対いいて掌(て)の上にあり天道虫ひとつ/田中栄『冬の道』
天道虫手にのせやれば幼子はおどろきて泣く逃げられて泣く/大塚洋子『雲迅く』

 
小さくてかわいらしいから手にのせて遊ぶ。星の数を数えて、あらためてナナホシだねえと言ったり。
刺したり噛んだりすることもないから、と子どもの手に乗せてやったり。それでも、びっくりしてしまうことはあるのだろう。
 
とはいえ、びっくりするのはテントウムシのほう。
 

運命の如く出あいし我の掌に軽しかるしテントウムシの仮死/高安国世『虚像の鳩』

 
昆虫学の言葉では「仮死」ではなくて「擬死」というらしい。死んだふり。
 

ほそながき枯れ草の上くりくりとテントウムシの赤翅(あかばね)うごく/吉川宏志『鳥の見しもの』
せかせかと天道虫は窓を行き枠に当たりて向きを変えたり/天野和子『絵本を開く』

 
わりあいよく動く。人に見られていることに気付いたりするとき、とくに「せかせか」と動いたり。半球型だから「くりくり」でもある。
 

丹沢に異常発生の天道虫鎌倉までを手提げに入りて/中西よ於こ『薔薇葉』
雲迅く飛ぶあしたにてオリーヴの葉裏に遊ぶ天道虫あり/三井修『砂の詩学』

 
地名の入ってる歌を2首。集団で冬越ししていたりするのを見付けてびっくりすることがあるが、異常発生ということもある。ひとつふたつなら可愛いが、たくさんあると、ちょっと圧倒されるようなこともあるだろう。手提げに入っていたのはそんなたくさんではないだろうが。
三井さんの作品は第一歌集。商社マンとして中東方面に駐在していた頃の作品。オリーヴの葉裏にもテントウムシがいるということは、彼の地にもアブラムシがいるということか。そうではなくて、草食性でオリーヴの葉を食害する種類(そういうのもいる。よくいるのはテントウムシダマシ、その他にもテントウムシに似た虫が)だったのか。
 

天道虫(てんとむし)は赤色だと一口にいうてはならぬバーミリオンもあればカドミウムオレンジもある/北川色糸『光追う日日』
足もとを見下ろしたれば蕗の葉に赤一色の天道虫が/花山多佳子『木立ダリア』

 
同じナナホシテントウやナミテントウでも、赤の色は少しづつ違う。さらに、別種の黄色いテントウムシもいるらしい。画家でもある作者は色にこだわっている。
花山さんの見た「赤一色」は何か。ナミテントウのバリエーションの中で、ときどきそういうのもいるらしい。
 
気をつけてみていると、いろんなものがいるのだろう。
 
 
最後に、蛹と幼虫。これはたぶんナミテントウ。ぼんやり成虫に似た色あいであったりするという。ナナホシテントウとナミテントウは、幼虫のときからアブラムシを食べるのだとか。

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だいぶ前に、ここでヒイラギについて書いた
 
晩秋~初冬のころに香りのよい花をつけて、そののち黒い実がつくはず……と思って待っていたわけでもないが、毎日通る道の植え込みに柊の実が黒熟してきたので写真をとっておく。
 
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ネズミモチのような実。ネズミモチが(モチノキ科ではなく)モクセイ科であり、ヒイラギもまたモクセイ科。そのとおり、という感じの実。
 

柊の黒の実こぼれ堅土に弾むあはれもたまゆらのこと/安永蕗子『朱泥』
柊(ひひらぎ)の青の実ひとつ地に落ちてけぶらふときぞ秋光の鬱/同『藍月』

 
黒といえば黒い実。青みを帯びた黒い実だ。
 
 
写真を撮ってから気づいたが、棘のない葉がけっこうある。
 
老木になると葉の棘がなくなるということは、前回ここで書くときまで知らなかったが、古木というほどでなくても、けっこう棘のない葉がまじるようだ。

わが家で餌付けしているわけではないのに、他所でご飯粒もらってきてここで食べてるスズメ。お客さん、持ち込みは困るなあ。
 
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彼らの目的のひとつは、砂浴び。

最近、まめに花を植えたりしていないので乾いた土だけの植木鉢やらプランターやら。その土や砂を盛大に散らかしてくれる。杉花粉の飛ぶ時期には洗濯物を外に干さないので、彼らの砂浴びもある程度自由にさせることにして、砂浴び用プランターのまわりに別の鉢を置いて、飛散防止を図っていた。

スギ花粉の季節が終わったということで、家人から「なんとかしろ」との要求。仕方ありません。
 
まことに勝手ながら今季の砂場は閉鎖させていただくことになりました。
 
石を置いたり鉢受けの皿をかぶせたり。
 
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それでも毎日やってくるスズメたち。
あまり汚さないでほしいのだが。

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スズメの数が少なくなったと言われるが、いなくなったわけではない。

目の前の日なたの地に来て砂あびる思へば雀も可愛き小鳥/木下利玄『全歌集』

先週末5月27日は北摂歌会のみなさんと吟行。琵琶湖疏水記念館とその周辺。山縣有朋別邸であった無鄰菴の二階をお借りして歌会。窓を全開にして心地よい風の通る中で、作品について語り合いました。
 
それにしても、このあたりは題材ありすぎ。
 
疏水にしても、主だったところだけでも京都府知事、設計したひと、測量したひと。建設賛成や反対の議論をしたひと。当然ながら直接携わった人は膨大な数にのぼる。
記念館の展示は、そういう人たちの様子なども想像させるものでした。
 
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無鄰菴のほうも、これまた見どころがたくさん。
とくに、疏水の水を引いて東山を借景とした庭園はよく知られたものですが、庭園の管理にあたって、雑草を適度に残したりするなど、きめ細かい配慮をしているのことにも驚きました。 

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当日の作品だけでなく、いろいろ思い返しながら、まだまだ作品はできそう。
3ヶ月ぐらいしてから参加者のみなさんの作品が「塔」に載ります。お楽しみに。

京都の白川は岡崎でいったん琵琶湖疏水に入り、琵琶湖疏水からふたたび白川として流れ出す。その白川の三条から南に少し下ったあたり。

白い小さな花が咲いている。

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なんだろう? と思って調べてみると、これはオダンダガラシだ。
  

二種類のオランダガラシ吾がかばふ青きを押しひしぐ黒き野生ども/土屋文明『自流泉』

 
ずいぶん嫌われたものだが、文明が大切にしているものを圧倒しているなら、そんなふうにも言いたくなる。
じっさい、かなりの生命力。

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以前にも書いたが、「雑草」とは、大切に育てているものの間に侵入してくる草のことを言う。それぞれ名前はあるけれど、草の名前ではなくて、カテゴリーとして「雑草」なのだ。
そういう意味で、これなどは文明にとっては「雑草」と呼ぶほかはないものだが、別の場面では「クレソン」と呼ばれて肉料理のつけあわせになったりする。こんなふうに花が咲いてしまったら、もう食べる段階ではないのだろうけれど、若い芽のうちに摘んだら、ぴりっと辛みを伴う美味なものだったりする。
 

野良ねこは誰れの猫でもありません 群がり咲けるオランダガラシ/村山悠子『卵の番』

 
ネコはそうか。そうかもしれない。(餌付けの責任はどうなる?とも思うが)
 
水辺の草はどうなのだろう。水そのものは、水利権などいろいろあるが、雑草として生えている草はどうか。春になって若菜を摘みに行ってもいいものか。

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