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カテゴリー "永田紅"

もうすぐ、3月14日ですね。
みなさま、準備はよろしいですか?
チョコレートではありません。
3月14日は、「π(パイ)の日」。
そう、「円周率の日」です。

というわけで、来たる3月14日に向けて、大学生協購買部ではこんなものが売られています。


円周率コースター(ずばり314円)。


円周率100万桁の本(ずばり314円)。


ただただ延々と、100ページにわたって、円周率が1,000,000桁印字してあるだけの本。
すばらしすぎて、買ってしまいました。
ちゃんと立派にISBNコードも付されておりまして、流通しています。
Amazonでも買えます。

私は小学5年生のとき、円周率を小数点以下20桁まで覚えて今でも言えるのですが(3.14159265358979323846…)、この円周率コースターを小学生の甥っこにプレゼントしたところ、彼はすぐさま30桁まで覚えてしまいました。ちょっと悔しい。
十代の記憶力、おそるべし。

購買部には、他にもこんなものが。

『数学記号の練習帳 第二版』です。
大きなマス目に、α(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)とか、…、∑(シグマ)、∇(ナブラ)、∞(インフィニティ)、とか、22回分、練習できます。


「著作権」を放棄されているとのことですが、左下に注目。
「Copyleft」っていう言い方があるんですね…!
こちらは、本体200円。

ああ、いろいろ散財してしまった。

あかあかと沈む夕日よ円周率「3」で計算する子らの秋
                栗木 京子『夏のうしろ』

先日、若山牧水青春短歌大賞の表彰式のために、宮崎県延岡市へ行ってきました。
新型コロナウイルスの影響による休校やイベント中止要請がなされる前のことだったので、表彰式は無事に行われました。

この賞の審査員をつとめて9年になりますが、毎年この時期に宮崎ブーゲンビリア空港に降り立つと、空気の明るさに驚かされます。
まさに南国の光。

吉川宏志主宰のふるさと、宮崎。
2月3日のNHKニュースで、宮崎についてこんなことを知りました。

宮崎県は5年前から、その温暖な気候を「日本のひなた宮崎県」というキャッチフレーズで表現し、プロモーション活動に使ってきました。
「平均気温」「日照時間」「快晴日数」のデータをもとに、独自に設けた「ひなた指数」という数値を割り出し、全国1位とうたっています。

各地の地方気象台では、毎日、決められた時刻に職員が目視で天気などの観測を行い、雲の量によって「快晴」「薄曇り」などと区別して記録してきたそうですが、観測技術の向上に伴い、去年、関東甲信の8つの地方気象台で先行して、そしてこの2月3日には宮崎市を含む全国37の地方気象台と2つの測候所で目視観測が廃止され、機械による自動観測に切り替えられたそうです。

目視による観測では、雲の量が1割以下のときには「快晴」としてきましたが、自動観測では雲の量を細かく判別できないため、「快晴」がなくなり、ただの「晴れ」に統一されてしまうそう。
「薄曇り」もなくなり、「曇り」となるそうです。
微妙なちがい、ニュアンスをあらわす言葉がなくなるのは、ちょっとさびしい。
(東京、大阪、福岡などの管区気象台と、名古屋、広島など計11の気象台では、目視での観測が続けられるそうです。)

というわけで、宮崎では「ひなた指数」の根拠となる「快晴日数」のデータが観測されなくなってしまったようなのですが、宮崎が温暖なのは変わりないですね。
宮崎空港で、このニュースのことを思い出しながら、「快晴」だよなあ、と空を見上げました。

さて、宮崎空港駅から「にちりん」で延岡へと向かうとき、都農(つの)町のあたりで、車窓のこんな景色に出会います。

何でしょう?
さらに近づくと、こんな感じ。

そう、ソーラーパネル、太陽光発電システムです。
宮崎はソーラーパネルの普及率が高いそうですが、このパネル、なんと、リニアモーターカーの実験線の高架の上に乗っています。

実験線が使われなくなったあとの、有効利用。
ほー!

海沿いの景色、いいなあ。

陽を入れて袋のような雲がある日豊本線車窓の桜
ウォークマン聴きおり特急「にちりん」の西側座席に陽の差せるころ
                    吉川 宏志 『青蝉』

この写真は、「東側座席」に陽が差しているところです。

これは何でしょう?

答え、タイトルに出てしまっていますね。
はい、ヤドリギ(宿り木、寄生木)です。
他の樹木の枝や幹にくっついて育つ、半寄生性の常緑樹です。
鳥がヤドリギの実を食べ、粘着質な物質に包まれたヤドリギの種が鳥の糞とともに樹皮の上に落ちると、発芽し、木の中へ根を伸ばして寄生を始めます。
全体像はこんな感じ。

大学の農学部のケヤキの木にくっついているヤドリギです。
研究室から生協食堂へ行くのに、ほぼ毎日見ます。ヤドリギは木の高いところに見つけることが多いですが、これは手の届く高さ。でも、ほとんど誰も気に留めません。

キャンパスのこんなところにヤドリギがまるく巣ごもり誰も知らない
           永田 紅 2000年3月13日『北部キャンパスの日々』
キャンパスのこんなところのヤドリギがずいぶん大きくなりしを目守(まも)る
                    「現代短歌」2018年11月号

私が学生のころはもっと小さかったのですが、20年ほど見ているうちにずいぶん立派になりました。木のうしろから見たら、はみ出るくらい、まるまるに。

時間の流れを感じるのは、ふつう樹高や幹の太さの変化によってですが、ヤドリギは球体の大きさによってなのが、なんだかかわいいです。

古典にも、ヤドリギは詠まれています。

あしひきの山の木末の寄生とりて挿頭しつらくは千年寿くとそ
(あしひきの やまの こぬれの ほよ とりて かざしつらくは ちとせ ほぐとぞ)
              大伴家持 『万葉集』 巻18-4136(750年)

「寄生」(ほよ・ほや)はヤドリギの古名。
「山の木の梢のヤドリギを取って、髪に挿して飾るのは、千年の長寿を祈ってのことだよ。」
ヤドリギは生命力の象徴ととらえられていたようです。

『源氏物語』にも、ヤドリギ登場。でも、このヤドリギはツタのことだそうです。

やどり木と思ひ出でずば木のもとの旅寝もいかに寂しからまし  
荒れはつる朽ち木のもとを宿り木と思ひおきけるほどの悲しさ  
                 『源氏物語/宿木』

はじめてヤドリギを見たのは、1994年3月にヨーロッパ旅行をしたときでした。
パリから、画家ミレーが愛したバルビゾン村へ行くために電車に乗ったのですが、車窓から、川沿いの冬枯れの木々に、たくさんのヤドリギがまるまるとくっついているのを見て驚きました。

鈴なりのヤドリギで印象的なのは、松山城のお堀の周り。
年に二度、子規記念博物館へゆくために松山を訪れるのですが、このヤドリギを見るのも楽しみのひとつです。

私は、ヤドリギの丸さや、鳥の巣みたいな不思議な浮遊感が好きですが、あまりたくさんくっついていると、肩が凝りそう…

西洋では、クリスマスの時期にヤドリギを飾りますが、「ヤドリギの下では女の子にキスをしてもよい」(”Kissing under the mistletoe”)という風習もあるそうですね。
ハリーポッターの「不死鳥の騎士団」でも、ハリーとチョウがキスをするとき、頭上からヤドリギの木が現れました。

先日、シンガポールと京都の高校生を招いて、「サイエンスフェスティバル」というイベントが大学で開かれ、ラボからブースを出すので私もお手伝いに行きました。

私たちのラボでは、細胞膜に浮かぶ膜タンパク質を扱っているので、まず「細胞膜」をイメージしてもらうために、モデルとしてしゃぼん玉を見せよう、ということになりました。
(膜を構成する両親媒性分子の疎水性、親水性部分の配置は、しゃぼん玉と細胞膜とでは逆になりますが、とりあえず「薄い膜」のイメージということで。)

しゃぼん玉を作るだけでは面白くないので、液体窒素(-196℃)で凍らせることにしました。
液体窒素は、バナナを放り込んで凍らせたら釘を打てる、というあれです(やったことはないけど)。
ラボでは、細胞やタンパク質サンプルを凍らせるのに使っています。

さて、フライパンに液体窒素をどぼどぼと流し入れ、OHPシートで囲いを作ってしゃぼん玉を吹き込むと…

IMG_2828しゃぼん玉

こうなりました!
フローズンしゃぼん玉。
(あ、もうすぐ「Frozen 2(アナと雪の女王2)」の公開ですね)

しゃぼん玉の膜が本当に凍っていまして、右上の大きなやつは、割れて上半分がないのですが、下の部分はちゃんと形を保っているのです。
すごい。
生しゃぼん玉(?)では、こんな姿を見ることはできません。
指で触ってみても、その部分だけが融けて穴が開くだけで、球形が保たれていました。

高校生たちは、まるでかき揚げを揚げるように(ジャアジャアと音がします)液体窒素の中から網じゃくしでフローズンしゃぼん玉を引き上げながら、楽しんでくれたようです。

というわけで、短歌とはまったく関係のない話でしたが、ぜひ凍ったしゃぼん玉の写真を見ていただきたくて。

「液体窒素で凍らせたしゃぼん玉」の歌が見つからなかったので、自作で恐縮ですが。

夕暮れて淡き輪郭 膜という概念の中に人は生まれき
                永田 紅『日輪』

PS. 昨日の投稿に写真を追加しました。

IMG_2848看板

11月9日(土)、「第8回 ~家族を歌う~河野裕子短歌賞」の表彰式が京都女子大学で行われました。
全国、そして海外から、1万5966首の応募があったとのことです。

「塔」からも、杉山太郎さん、海野久美さん、橋本恵美さんが入賞されました。
おめでとうございます!

<家族の歌・愛の歌>部門
【河野裕子賞】
暑さなど覚えていない八月のようやく君に会えた日のこと
                     杉山 太郎
【京都女子学園長賞】
夕暮にたしかに母は言いかけた勿忘草の群生する、あの
                     海野 久美
<自由題>部門
【京都市長賞】
河馬も来ず駱駝も来ない歯科医院ぱかっぱかっと人は口あく
                     橋本 恵美 

皆さんにお会いできてうれしかったです。

<自由題>部門
【河野裕子賞】
バス停は私のことを考えてわたしのことを褒めてやる場所
                     岩﨑 雄大 

「私」と「わたし」の使い分けが面白いですね。

IMG_2868杉山太郎さん
杉山太郎さん(左)と、岩﨑雄大さん。

表彰式には、<青春の歌>で入賞した、フランスの高校からの交換留学生も出席してくれて(流暢な日本語!)、こんな形で短歌に出会うのも、とてもいいなあと思いました。
ぜひ、短歌を頭のどこかに住まわせ続けてほしいです。

選者は、漫画家、声楽家の池田理代子さん、俵万智さん、永田和宏さん、
<青春の歌>部門が、東直子さん、島田幸典さんです。

IMG_2953池田理代子さん○
池田理代子さんによる講評

池田さんにお会いできるので、当日の朝、私はしっかり「ベルばら」パックをしてゆきました!

IMG_3037ベルばらパック○
<もう離れない、離さない。密着マスク。オスカル深層白透明。ホワイトローズの香り>

IMG_2957東直子さん○
東直子さんによる講評

IMG_2958島田幸典さん○
島田幸典さんによる講評

そして、特別プログラム「河野裕子の子育ての歌を語る」として、永田和宏×俵万智 両氏による対談がありました。

河野裕子の作品のほかに、五島美代子から光森裕樹までの子育ての歌を挙げながら、テンポよく、とても面白い対談でした。

IMG_2966永田和宏・俵万智○

俵さんの、
「子育ての歌は<刺し身>で出せる」
という言い方がインパクトがあって、なるほど!と納得。
子育ての現場のイキのいい感じは、そのまま切り取って出しても、意外と食べられる、と。
子どもが言った言葉をそのまま歌にしても、けっこう歌になる。
一方、「恋の歌」は刺し身では出せなくて、盛り付けや出し方を考えなければいけない、と。
「サラダ記念日」も、本当は「7月6日」ではなくて、料理も「カレー味の唐揚げ」だったんですね!
(ちなみに、孫可愛いの「孫の歌」も、刺し身では出せないという話に)

IMG_2974永田淳○
永田淳さんあいさつ

来年は、河野裕子没後十年になります。
母が亡くなって時間が経っても、こんなふうに多くの方たちが河野裕子に関わってくださることを、本当に嬉しく有り難く思います。
応募してくださった皆さま、選者の皆さま、主催の産経新聞社様、共催の京都女子大学様、ありがとうございました。

080824 087河野裕子1MB
2008年8月24日、京都御苑で私が撮った母の写真です。

こんにちは、ブログデビューの永田紅です。
「塔」のブログにかぎらず、個人のブログもツイッターもFacebookもInstagramもしていないので、今回がはじめての書き込みです。

何を書けばいいのかな。と思っていたところ、猫の夢を見ました。
一階に二匹のキジ猫、二階に大きなメインクーンの茶トラが四匹。
幸せな夢でした。

わが家には、「猫の灯を絶やすな」という家訓があるのですが(ウソ)、2014年の暮れに黒白猫のローリーがいなくなって以来、すっかり猫が干上がっています。猫日照り。
(この「猫日照り」という言葉、「塔」の全国大会で沼尻つた子さんに言ったところ、ずいぶん気に入ってくださいました。)
かつて実家の庭は、近所のさまざまな猫がやってきては通り過ぎる、猫道の主要なジャンクションだったようなのですが、何かの流れが変わったのか、ここ数年、まったく猫が庭を横切らなくなっていました。

人生における猫総量は一定なのか。前半生に猫贅沢をしすぎたからなあ…。
などと思っていたところ、猫の夢を見た日の朝、実家の縁側に、久々の猫が!
IMG_2825猫コスモス

新顔です。よく太っているので、飼い猫でしょう。近づいて逃げられると困るので、遠くからズームで撮影。
縁側に猫がいる風景はすばらしい。天気もよくて、猫日和。
ローリー2012.7.22IMG_3068

これは、2012年の夏、黒白猫のローリー。首輪をつけたら、別の首輪をつけて帰ってきた奴です。

16.02.18トム

こちらは、以前よく来てくれていた別の猫、トムII。同じ場所。
猫はみんな縁側が好きです。

猫と言えば、池本さん。

好きなのかあんなところが自転車のサドルにいつも乗っている猫
                     池本一郎 『樟葉』

ああ、猫が飼いたい。

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