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カテゴリー "岡部史"

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国木田独歩は『武蔵野』のなかで、「林は実に武蔵野の特色と
いってもよい。」としてその代表に楢の類を挙げてますね。独歩の
時代の「武蔵野」は、渋谷(!)近辺まで含まれていたことを思うと、
ちょっと事情は異なるかもしれませんが、現代の多摩南部で暮す私にとって、
もっとも目につく落葉樹はけやきです。写真は、我が家から車で数分
走ったところにある某公園のなか。公園の周辺もけやき並木になってます。
午前九時半の、冬空のもとで撮影しました。

春の芽吹きの頃のけやきも、まるで何かに目覚めていくかのような、
初々しさがあって素敵です。一方、冬の裸木の凛としたたたずまいも
得難い魅力が。枝と幹のバランスの良さは、まるで八頭身美人!
お次に引いた歌は、夕方の光景のようですが。

  冬枯れのけやき並木をすり抜けて鳥たち帰る昏き腹見せ
              北神照美『ひかる水』  

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インド洋の西の島、モーリシャスに十七世紀末までは生息して
いたと言われる珍鳥、ドードー。写真はモーリシャスの絵葉書から。
博物館で見ただけですが、結構大きくて、実際に会えたらどんなに
楽しかっただろうなあ、ととても残念でした。

『不思議の国のアリス』の「コーカスレースと長いお話」の章に
登場することでもよく知られていますね。

 「みんな勝ったんだ。だからみんなが賞金をもらわなければな
 らない」。 ・・・「でも誰が賞金をくれるんだ」
 「そりゃ、もちろんこの子だよ」ドードーはアリスを指さしながら・・
        福島正実訳『不思議の国のアリス』

ところで、開高道子訳『アリスの国の不思議なお料理』では、
こんなふうに訳されています。

  「ドナタハンモ一等ナンヤカラ、ミナハンガ賞品イタダクノヤ」
  ・・・「いったい誰なんだ、賞品をくれるのは」
  「ソヤナー。ソヤソヤ、アンタハンヤ」とアリスを指さすドードー。

もこり、と大きくておとぼけ顔のドードーに、関西弁が妙に似合って、
この書を読むたびに、笑いがこみあげてくるのです。

人形魔女
魔女の人形を収集していたことがあり(保管場所がなくなり今は休止中)
二十数体、持っています。写真の人形はスロヴァキアで、購入したもの。
自然素材だけの、シンプルながら大胆な造形に一目ぼれしちゃいました。
日本まで箒で飛行してもらうには遠すぎるので、飛行機にご同乗願いました。
が、何しろ箒の長さが七十センチ近くあるので、大変でした。
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こちらは、人形劇の盛んなチェコでみつけた指人形キットから作ったもの。
小さいですがなかなか迫力のある表情で、こちらも大切にしています。
これ等の人形を見ていると、あれこれと想像(妄想?幻想?)も湧き、
歌もできるのですが。心が飛んで行ったきり、なかなか帰らないことも。
  魔女とゆく夜の空あまりに闇ふかく猫のまなこの黄金(きん)ともるのみ
                           岡部史

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二年ほど前、沼津で吟行歌会が行われた折、訪れた場所の一つ。
津波防止目的の水門で、「びゅうお」という愛称があるのは、
見た途端、余りの迫力に「びゅうお!」と叫んでしまうから、
ではなくて、上部に回廊つきの展望台があるから です、はい。
水門の幅は40m、高さは9、3m、重量は406トン、日本最大級の
水門だそうです。展望台は地上30mの位置にあり、高速エレベーターが
ついています。勿論、眺望は抜群で、富士山はもちろん、南アルプスの
峰まで、見晴らすことができました。

お次は、水の都大阪在住の江戸さんの作品。河川の流量を調節するための
水門で、こちらはもっとずっと小型のものなのでしょうね。

  どの川も海への途中 水門がしずかに話すように上がった
                江戸雪『声を聞きたい』

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釧路の観光案内所には「啄木歌碑マップ」も用意されているんですね。
昨年、初めて訪れて、この街に啄木の歌碑が27もあると知って驚き。
啄木はたった76日しか滞在していなかったのに。釧路新聞社に勤め、
仕事は勿論したでしょうが・・・。それ以上に歌を詠んだ?

マップを頼りに、歌碑巡りをし始めたのですが、雨が降り出したのと、
真夏だったのに、霧が深く、ひどく寒くなってきて、途中で中止。
啄木の歌は、全体としてはあまり好きではないけれど、北海道で
詠まれている歌は、かなり好き、な方です。この歌碑の歌も。

 さいはての駅に下り立ち
 雪あかり
 さびしき町にあゆみ入りにき
       石川啄木『一握の砂』

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香港の町なかを歩いていて、吉野家をみつけました。海外で日本の
企業が頑張っている様子を見ると、つい応援したい気持ちになります。
同時に、日本の展開の仕方とは違うはず、どう戦略を変えているのだろう、
という興味も湧いてきて・・。ここでは左側のメニューに視線が行きました。
鶏の唐揚げ定食、日本の吉野家にはないのでは・・・って、あまり利用した
経験はないので、詳しくないのですが(汗)。

ニューヨーク在住の「塔」会員ダンバー悦子さんの歌集にもこんな歌が。

 映画館とスターバックスの間にてオレンジに光る吉野家の看板
                   ダンバー悦子『ふた束の水仙』

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最近、「彩度」という言葉を知りました。色彩の鮮やかさ、純粋さの程度を表す言葉で、
『基礎からの水彩』の著者のトニー・コーチは「絵具より高い彩度の自然色はない」
と断言しています。ただし、ごく少ない例外として黄葉を挙げているのです。
落ち葉する直前の黄色の凄まじいほどの美しさは、その色彩の純度にあったのだな、
と改めて思いました。写真は、一昨年の11月末、四国で撮影したものです。このあとの
潔い散り際も感動的なものですが。

 かく一途に、一途に黄葉(きいば)散らしつつ銀杏樹は静けき滅びのさ中
                    三井修『アステカの王』

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モンゴルといえば、岩塩が有名。というわけで家族がモンゴルへ
出掛けた折に、お土産として購入してきてくれたのが、写真の塩。
とにかく硬い。鑑賞品とすべきか、とあきらめかけたほど。
しっかりとしたビニールに包み、さらにタオルで包み、金づちで
叩いて、やっとこさ、使える状態にしましたが(一部顆粒、一部小石)。
熱湯にいれても、なかなか溶けないのにも驚きました。
しばらく煮たてても、粒状の塩が鍋底を動いている音がするのです。

 目をつむり風に広がる髪の奥木のない土地にわたしだけが木
                大森静佳『カミーユ』

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今年の塔の全国大会の開催地浜松から、昨夜帰宅したところです。
その詳細については例年通り、11月号で報告される予定です。
でも、夕食の内容までは(あ、昨年もこんなこと書きましたっけ)
載りませんよね。それで、またここに、お世話頂いた静岡県の
会員の皆様、また塔スタッフの皆様に感謝しつつ、美味の
一部をご披露いたします。

上の写真は和風の前菜です。海陸両産物に恵まれた静岡ならではの美味。
見た目もとても美しいですよね。この後、真鯛のソテー、牛ヒレ肉の
ポワレ、炊き込みご飯、などが続きました。いずれも美味しかったのですが、
圧巻はデザート!
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マンゴーのムース、バニラパルフェグラス添え。
宴席でご一緒だった隣の会員女性が溜息をついておられました。
「座っているだけで、こんな美味が登場するなんて、夢のよう」
この一年に一度の贅沢を味わうために、たゆまず歌を作り、
仕事の方も頑張っていこう、と言う気持ちになれます。
また、来年、皆様にお会いできますよう。

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北海道の特産品として知られているハスカップ。キイチゴやコケモモなどと同じ、
ベリー類と知って、是非味わってみたいと思っていました。昨夏、帯広を訪れた際、
ようやく入手できました。ハスカップのコンフィチュール(って、ジャムじゃん)。
私は、朝食のヨーグルトと共に頂きました。味も見た目もブルーベリーのジャムに
似ていますがやや酸味が強く、後味は爽やか。ハスカップの歌、みつからなかった
ので、とりあえず、歌の方は、ブルーベリーをご賞味くださいませ。

  深淵の水のぞくごと瓶の蓋ひらく朝ごとのブルーベリージャム
                尾崎左永子『夕霧峠』

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