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カテゴリー "岡部史"

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金沢の暗がり坂を下りて、浅野川に出たところで、
ばったり出会ったのです、大きな芋虫に!
長さは七、八センチほどもあり、あまりに美しく、
つい立ち止まって、カメラに収めました。
アゲハの幼虫でしょうか。どんな蝶に変身するのでしょう。
美しい芋虫が、美しい蝶になるとは限らないらしいですが・・。

 うちがはにこもるいのちの水の色の青条揚羽(あをすぢあげは)
 みづにひららく          尾崎まゆみ『明媚な闇』

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今日は和菓子の日、なんだそうである。
先・先回の川越の続編みたいになってしまうけれど、川越は
お菓子の街としても知られていて、私がここに出かけたのは、
(実は多摩地区に住んでいる私にとって、川越はかなり遠い町)
お菓子について調べるため、でした。いろいろ購入してもきました。
が、圧倒的にサツマイモ素材のものが多いんです。
かつて、畑作地帯だったことの反映でしょう。

 子らがためスヰトポテト買ひ持ちてしばし銀座を歩きつつ居り
                   斎藤茂吉『寒雲』

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見た途端、うなされそうなこのド迫力の物体は、南日本からインドネシアに分布す
る毒をもつ海蛇。そして沖縄の伝統的な高級食材でもある。元は茶色の濃淡の縞が
ある。燻製によって、ご覧のような黒檀状の皮膚に。滋養に富み、コレステロール
降下作用、血栓防止作用なども期待され、強壮、疲労回復効果もあるのだとか。
(いえいえ、私など、とてもまだ、味わったことはありませぬ)。池澤夏樹氏が
『神々の食』のなかで、その味を紹介されています。

おもな産地は久高島。ノロと呼ばれる女性神官が支配していた島で、イラブー
の捕獲権もノロが占めていたらしい。住人にもほぼ女性で、男性は、
老齢者と遠洋での荒仕事に耐えられない、病弱な青年だけだったのだとか。
ひとつの食材が語る、島の複雑な歴史・・・。

  久高なる 島の青年(ヲグナ)の言ひしこと さびしき時は、思ほえにけり
                       釈 迢空 『海やまのあひだ』

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日本で一番印象の薄い県として常時一、二位を争うのが栃木、群馬、
らしい。首都圏に住んでいると、実は埼玉の方が存在感が希薄かも。
でも、もちろん、面白いところはたくさんあって、例えば川越。
古くは、鎌倉と上州を結ぶ、交通の要地。古い町並みが今に残る。
写真はその一部です。有名なのは、町の中心部にある、
「時の鐘」と呼ばれる建物なのですが・・・。

 川越の街のゆくてに時の鐘黒くそばだつをあやしまなくに
                    佐藤佐太郎『地表』

私が訪れたときは改装中で、撮影できませんでした、残念。
ところで、「塔」には埼玉の歌会が二つもある。存在感、濃いですよね。

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主食が米とパンとに分かれるのは、大雑把に見て、
インドのデカン高原あたりから、らしい。東が米、西がパン。
パンの生まれ故郷である中東では、やはり圧倒的に美味だが。

種類も豊富に、かつスタイリッシュに発展したのは、欧州において、
でしょう。パンに限らないことかもしれませんが。
写真は、中欧の、とある街角のパン屋さんのショーウインドウ。
パンはこんな芸術的な素材でもあるんだなあ、とちょっと感動。
ご飯は、美味しいけれど、形象化は、難しいですよね。

  一日の中なる世紀よパンかごに黄金(こがね)なす穂のエジプトあふれ
                           井辻朱美『地球追放』

家族が収集している鶏の置物は、すでにこの欄で、
紹介させてもらっているが、今回はその雑貨編。
手前のスパイス入れ、先回は良く見えなかった、
というご指摘あったので、再度の登場。他は、貯金箱、
印鑑、ワインの栓、タイマーもあり(鶏の鳴き声で鳴る)。
見ていると楽しい。なんでも鑑定団に出したら、といつも
からかうのだけれど、その実、みんな安物だってこと、
私も家族も知っていて・・・。なにかのついでに買っている、
かなりユルイ収集家です。あんまり入れ込まれたら困ると思うし。
こんな歌もあるし・・・。
  収集癖もつ人好まずという会話遅く戻れる汝とかわせり
                 花山多佳子『草舟』
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亀をペットにしている、という友人、知人は多い。
私には理解できない(気持ち悪い、という感じが先立つ)。
それでいて、亀を見るのは、かなり好きな方である。
というか、よく見てしまう人になっちまった。
なんのことはない、亀は歌にしやすいから、である。
歌を詠み始める前には、こんなことに
なるなんて、思いもせなんだ。まったく、歌詠みとは、
変な生き物である。旅先でも、亀がいると立ち止まる。
時には、じっくりと写真に撮ったりもする。
ところで、次の歌は、ほんとなんだろうか。
  亀の鳴く声はげつぷにすぎざればよく歌ふのは食道炎の亀
               真中朋久『エフライムの岸』
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我が家から車で五分のところにある、
スーパーの三階駐車場から西方を望むと、
特に冬の日は、素晴らしく美しい山並みを望める。
丹沢山塊である。山の好きな友人がよく
「結構面白い山で、歩いていて飽きないよ」
と言っていた。山は遠方にありて、望むもの、
と思っている私は、買い物のたびにこの山を見ることで、
十分満足である。ちなみに、後方に見える小さな白い頂は、富士山である。

  富士が嶺の裾さへぎりて日面(ひおもて)に丹沢山は際立ちにけり
                      鹿児島寿蔵『潮汐』
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日差しが明るく柔らかくなってくるこの時期、

ひな祭りはまさに季節にふさわしい行事。

子供の頃、我が家にお雛様はなくて、

近所の家にいつもお招ばれしていた。

かなり居心地悪く、あまり良い思い出はないけれど、お雛様は、

いつ見ても、超然とした雰囲気を湛えていて素敵だった。

種を播くまへのひととき婚姻の祝ひに似たる雛祭りあり

田宮朋子『星の供花』

写真は、ディズニーランド(香港)のスモールワールドから。

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東急線で1980年代まで広く利用されていたのが、この 5000系統の車両で、濃い緑色だったので青ガエルと呼ばれていた。 DSC09453         現在そのもっとも古いタイプが渋谷駅前に展示されているので、見ることができる。私は東急池上線沿線の高校に通ったので、毎日この電車を利用していた。ダサい色だなあ、古臭い車体だな、と絶えず思いながら。中学卒業時に父が転勤になり、都立高校試験に間に合わなかった私は、補欠募集している高校に編入試験を受けて入学した。当時は都立の人気は高くて、私には選択の余地なく。不満だらけの高校時代。その鬱屈感が、この車両の色に重なって思い出される。

今になるとそれも良い思い出。渋谷に行くたび、撫でまわすように見入ってしまう。

若き日はよみがへるなりYou Tubeに「池上線」の歌を聞くとき          小池光『思川の岸辺』より

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