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江戸です。

もともと家にじっとしていることが好きなのですが
「じっとしていなさい」と言われてじっとしているのはつまらないですね。やっぱり。

外にでるときは五感がいつも以上に働いているような気がします。
春になって花が咲き始めています。

これはうちの建物の玄関にアスファルトをつきやぶってのびてきた道端の草。
まえは鬼田平子だったのですが、今年はどうも違うなあと思っていたら
花が咲きました。これはなに?茄子のような花ですが。。。

ずいぶん調べて、イヌホオズキではないかという結論(今のところ)。
うつむいて咲いているのがとても可愛い。

コロナウイルス感染拡大の恐れで、もうどこにも行けない毎日。
華やかな行事の多い三月も、今年は息苦しいような日々ですね。

昨年、お雛様(手作りのものと古雛)の展示会に行ったことを
思い出しました。そこで、さるぼぼに出会ったことも。
展示会の参加者による手作りのものです。

さるぼぼは、飛騨に伝わる古い人形で、豪華なひな人形などを
購入できない民家では、ひな祭りに飾ることもあったとか。
唐代の中国から伝わったと言われている、とても古い素朴な
人形でした。さるぼぼという名前も愛らしいですね。
飛騨の言葉で「ぼぼ」は「子供」を意味するそうです。

  ひとり旅に一位細工のさるぼぼの”金運上昇”買ふ空ごころ
                  丸山順司『チィと鳴きたり』

一位細工は飛騨の匠の伝統を引く工芸らしいですが。
こちらのさるぼぼは、金運を招くというものなのでしょうか?

とても暖かくよい天気の一日。

「こんなご時世ですから…」
なんて言葉を身近に聞くとは思ってもみなかった、
そんな昨今ですが、まあ、子どもが家の中に閉じこもっていられるはずもなく、
どうするかというと…


走る。


もういっちょ、走る。

レジ袋で作った凧を持って、走るだけでケラケラ笑っております。

休館・休園中のさまざまな施設も、辛うじて開いている図書館も
森閑とした気配ですが、公園は大盛況です。
「日向ぼっこしよう」と子どもに誘われ、
ベンチに座っておやつの芋けんぴをポリポリ食べました。

桜のつぼみも開く寸前。

原発事故の影響で不通区間が残っていたJR常磐線が、今日、全線で運行が再開しました。

これは、常磐線の線路の輪切り。
東日本大震災の前に、当時JRで保線の仕事をしていた知人が、鉄道好きのうちの息子にくれたもの。結構使い込まれてる感じがあります。

 

常磐線はかの日消えたり雑草に駅舎も鉄路も埋もれ埋もれて  吉田信雄『思郷』

センバツ高校野球の中止が発表になりました。今年は近所の高校が出場することになっていたので、覚悟はしていましたがとても残念です。

今年の3月もなかなかきびしいなあ。

こういうときは、よく食べて(よく呑んで)よく眠るに限る。

 

 

 

これはセンバツ高校野球とは別の地元の高校が作った缶詰。
実習で作ったものだそうです。

みんながんばっておる。

がんばっておるよ。

足りないとか、効果はないとか、近頃なにかとマスクが話題です。
実際マスクがなくてとても困っているという方も多く、マスク短歌もたくさん生まれそうな気配です。

で、それとはまた違うお話なんですが、先日みつけました。マスクの歌。

末つ子のひとり遊びのスケツチのタイガーマスクはイタリア人めく
木村輝子 (けやき けやきの会連作集三より)

「婿のアントニオは日本のアニメを観て育つた」という詞書が添えられています。
新型コロナウイルスに世界中が翻弄される前の歌だと思いますが、

いいよね、タイガーマスク!
イタリア人めいてるタイガーマスクも、きっと、いいよね!

ということで、ここで私のマスクをお披露目したいと思います。
(アントニオ、喜んでくれるかなー?)

獣神サンダーライガーのマスクです。
いつかの誕生日にプレゼントしてもらって、それ以来一度も外でかぶったことがありません。
家でもほとんどかぶりませんが、ときどきへこむようなことがあっても、
わたしなんかライガーのマスク持ってるんだぞ、と思うと、ちょっと強気になれたりします。
ウイルスも花粉も全く除去しませんが。

もうひとつマスクを。

喉を痛めないように、夜眠るときなどに愛用している布マスク。
ほかに、きりんのマスクや、ふくろうのマスクなんかもあります。

アントニオさんも、そのご家族も、
みんなみんな、お体に気をつけて。

もうすぐ、3月14日ですね。
みなさま、準備はよろしいですか?
チョコレートではありません。
3月14日は、「π(パイ)の日」。
そう、「円周率の日」です。

というわけで、来たる3月14日に向けて、大学生協購買部ではこんなものが売られています。


円周率コースター(ずばり314円)。


円周率100万桁の本(ずばり314円)。


ただただ延々と、100ページにわたって、円周率が1,000,000桁印字してあるだけの本。
すばらしすぎて、買ってしまいました。
ちゃんと立派にISBNコードも付されておりまして、流通しています。
Amazonでも買えます。

私は小学5年生のとき、円周率を小数点以下20桁まで覚えて今でも言えるのですが(3.14159265358979323846…)、この円周率コースターを小学生の甥っこにプレゼントしたところ、彼はすぐさま30桁まで覚えてしまいました。ちょっと悔しい。
十代の記憶力、おそるべし。

購買部には、他にもこんなものが。

『数学記号の練習帳 第二版』です。
大きなマス目に、α(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)とか、…、∑(シグマ)、∇(ナブラ)、∞(インフィニティ)、とか、22回分、練習できます。


「著作権」を放棄されているとのことですが、左下に注目。
「Copyleft」っていう言い方があるんですね…!
こちらは、本体200円。

ああ、いろいろ散財してしまった。

あかあかと沈む夕日よ円周率「3」で計算する子らの秋
                栗木 京子『夏のうしろ』

先日、若山牧水青春短歌大賞の表彰式のために、宮崎県延岡市へ行ってきました。
新型コロナウイルスの影響による休校やイベント中止要請がなされる前のことだったので、表彰式は無事に行われました。

この賞の審査員をつとめて9年になりますが、毎年この時期に宮崎ブーゲンビリア空港に降り立つと、空気の明るさに驚かされます。
まさに南国の光。

吉川宏志主宰のふるさと、宮崎。
2月3日のNHKニュースで、宮崎についてこんなことを知りました。

宮崎県は5年前から、その温暖な気候を「日本のひなた宮崎県」というキャッチフレーズで表現し、プロモーション活動に使ってきました。
「平均気温」「日照時間」「快晴日数」のデータをもとに、独自に設けた「ひなた指数」という数値を割り出し、全国1位とうたっています。

各地の地方気象台では、毎日、決められた時刻に職員が目視で天気などの観測を行い、雲の量によって「快晴」「薄曇り」などと区別して記録してきたそうですが、観測技術の向上に伴い、去年、関東甲信の8つの地方気象台で先行して、そしてこの2月3日には宮崎市を含む全国37の地方気象台と2つの測候所で目視観測が廃止され、機械による自動観測に切り替えられたそうです。

目視による観測では、雲の量が1割以下のときには「快晴」としてきましたが、自動観測では雲の量を細かく判別できないため、「快晴」がなくなり、ただの「晴れ」に統一されてしまうそう。
「薄曇り」もなくなり、「曇り」となるそうです。
微妙なちがい、ニュアンスをあらわす言葉がなくなるのは、ちょっとさびしい。
(東京、大阪、福岡などの管区気象台と、名古屋、広島など計11の気象台では、目視での観測が続けられるそうです。)

というわけで、宮崎では「ひなた指数」の根拠となる「快晴日数」のデータが観測されなくなってしまったようなのですが、宮崎が温暖なのは変わりないですね。
宮崎空港で、このニュースのことを思い出しながら、「快晴」だよなあ、と空を見上げました。

さて、宮崎空港駅から「にちりん」で延岡へと向かうとき、都農(つの)町のあたりで、車窓のこんな景色に出会います。

何でしょう?
さらに近づくと、こんな感じ。

そう、ソーラーパネル、太陽光発電システムです。
宮崎はソーラーパネルの普及率が高いそうですが、このパネル、なんと、リニアモーターカーの実験線の高架の上に乗っています。

実験線が使われなくなったあとの、有効利用。
ほー!

海沿いの景色、いいなあ。

陽を入れて袋のような雲がある日豊本線車窓の桜
ウォークマン聴きおり特急「にちりん」の西側座席に陽の差せるころ
                    吉川 宏志 『青蝉』

この写真は、「東側座席」に陽が差しているところです。

これは何でしょう?

答え、タイトルに出てしまっていますね。
はい、ヤドリギ(宿り木、寄生木)です。
他の樹木の枝や幹にくっついて育つ、半寄生性の常緑樹です。
鳥がヤドリギの実を食べ、粘着質な物質に包まれたヤドリギの種が鳥の糞とともに樹皮の上に落ちると、発芽し、木の中へ根を伸ばして寄生を始めます。
全体像はこんな感じ。

大学の農学部のケヤキの木にくっついているヤドリギです。
研究室から生協食堂へ行くのに、ほぼ毎日見ます。ヤドリギは木の高いところに見つけることが多いですが、これは手の届く高さ。でも、ほとんど誰も気に留めません。

キャンパスのこんなところにヤドリギがまるく巣ごもり誰も知らない
           永田 紅 2000年3月13日『北部キャンパスの日々』
キャンパスのこんなところのヤドリギがずいぶん大きくなりしを目守(まも)る
                    「現代短歌」2018年11月号

私が学生のころはもっと小さかったのですが、20年ほど見ているうちにずいぶん立派になりました。木のうしろから見たら、はみ出るくらい、まるまるに。

時間の流れを感じるのは、ふつう樹高や幹の太さの変化によってですが、ヤドリギは球体の大きさによってなのが、なんだかかわいいです。

古典にも、ヤドリギは詠まれています。

あしひきの山の木末の寄生とりて挿頭しつらくは千年寿くとそ
(あしひきの やまの こぬれの ほよ とりて かざしつらくは ちとせ ほぐとぞ)
              大伴家持 『万葉集』 巻18-4136(750年)

「寄生」(ほよ・ほや)はヤドリギの古名。
「山の木の梢のヤドリギを取って、髪に挿して飾るのは、千年の長寿を祈ってのことだよ。」
ヤドリギは生命力の象徴ととらえられていたようです。

『源氏物語』にも、ヤドリギ登場。でも、このヤドリギはツタのことだそうです。

やどり木と思ひ出でずば木のもとの旅寝もいかに寂しからまし  
荒れはつる朽ち木のもとを宿り木と思ひおきけるほどの悲しさ  
                 『源氏物語/宿木』

はじめてヤドリギを見たのは、1994年3月にヨーロッパ旅行をしたときでした。
パリから、画家ミレーが愛したバルビゾン村へ行くために電車に乗ったのですが、車窓から、川沿いの冬枯れの木々に、たくさんのヤドリギがまるまるとくっついているのを見て驚きました。

鈴なりのヤドリギで印象的なのは、松山城のお堀の周り。
年に二度、子規記念博物館へゆくために松山を訪れるのですが、このヤドリギを見るのも楽しみのひとつです。

私は、ヤドリギの丸さや、鳥の巣みたいな不思議な浮遊感が好きですが、あまりたくさんくっついていると、肩が凝りそう…

西洋では、クリスマスの時期にヤドリギを飾りますが、「ヤドリギの下では女の子にキスをしてもよい」(”Kissing under the mistletoe”)という風習もあるそうですね。
ハリーポッターの「不死鳥の騎士団」でも、ハリーとチョウがキスをするとき、頭上からヤドリギの木が現れました。

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