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アーカイブ "2021年07月"

 今からが夏の本番なのでしょうが、山の方に行けば、もうとんぼがたくさん飛んでいます。

 小さいころ、とんぼの目に向かって指をぐるぐる回して、目が回るようにして、そうしてつかまえたときもありましたけど、あの方法…有効だったんでしょうか?
 遊びの中で、いろんなことを教わりました。確かな方法も、そうでないものも。
 とんぼ…もうしばし、とんぼの季節になる前に、蝉の季節を味わいたいと思います。

  殺してもしづかに堪ふる石たちの中へ中へと赤蜻蛉(あかあきつ) ゆけ
                         水原紫苑『びあんか』

暑い日が続いていますが、そんな中、東京オリンピックが始まっています。

 

いろいろな意見があったオリンピックですが、選手の皆さんがそのからだでもって見せるパフォーマンス、すごいものだなあと感じます。

短歌にもスポーツのいい歌がたくさんあります。印象深い歌を3首。

 ハードルをつぎつぎ越ゆる若き脚(あし)のむかうに暗き夏のくさむら

                          柏崎驍二『四月の鷲』

 火の息を鎮めて膝をわずか曲げ神事のごとしフリースローは

                          三井修『アステカの王』

〈ドイツ人対ポーランド人〉と言ひ換へてみればおそろしサッカーなれど

                          大松達知『アスタリスク』

 

 

 

 

皆さんのお手許に毎月届く「塔」は京都市内の創栄図書印刷さんで印刷されています。1995年からですから創栄さんとは四半世紀を超えるお付き合い。所在地は二条高倉上ル、といういかにも京都らしい地名です。京都をご存知ない方にはピンとこないかもしれませんが、京都御所の南端から南へ500mほどです。入口はこんな感じ、先日ちょっとした野暮用で訪ねてきました。

本社社屋は5階建て、他に吉祥院(京都市内の南西の方)に工場があります。
手前の自転車は、父が乗らなくなったのを僕が乗っているもの。先日、2万円もかけてチェーンとギアを交換しました。買った方が安い、などと最近は言われますが…どうもその発想が嫌い。僕の事務所から創栄さんまでは賀茂川沿いを自転車で下って行って、20分ちょっと。話が逸れました。

入口を入ると、こんな版木がディスプレイされていたり、

本が出来上がるまでがイラストで紹介されたパネルや、書籍の各部の名称を教えてくれる楽しげなパネルが迎えてくれます。

昔はこんな看板を掲げておられたのでしょうか。いま、日本で活版印刷で書籍を組んでくれる印刷所さんは管見の限りでは知りません。

こちらは担当の吉田さん。数年前の「塔が出来るまで」以来のご出演(出演??)。
吉田さんが窓口となってくださり入稿や印刷のスケジュール、印刷・製本・発送の手配をして下さっています。(ちなみに後の台車に乗っているのは「塔」ではありません)

創栄図書さんの宣伝をしても、塔の会員にとっても、創栄さんにとってもあまりメリットはないかもしれませんが、たまにはこんなご紹介も。

創栄図書印刷HP
https://www.soei-pb.co.jp

創栄図書印刷Twitter
https://twitter.com/soei001

 

 

今日は朝10時から、烏丸丸太町にある事務所での企画会議でした。
企画会議は隔月でおこなわれていて、前回5月はオンラインだったので今日はひさしぶりに事務所に行きました。
来年の誌面の特集などについて話し合い。

帰りに四条を通りかかると、「長刀鉾」が組み上がっていました。
そういえば、今日は17日なので本来であれば山鉾巡行の日。

山鉾巡行が去年につづき中止になった今年。
技術の継承のために「山鉾立て」はおこなわれ、2年ぶりに11基の鉾が建っているとのこと。

梅雨が明けて、暑い一日でした。

NHK学園で「聞いて感じる、万葉集~大伴旅人と山上憶良ー心の交友」というオンライン講座が開かれます。

講座では「大伴旅人と山上憶良ー心の交友」をテーマに、加賀美さんの読み、永田さんの読みで深まる奥深い万葉集の世界、とのことです。

お申し込み先は
●オンライン受講申込
https://coubic.com/ngaku-online/416049

●リアル教室受講申込
https://www.n-gaku.jp/lifelong-school/course/6796

ご興味のある方はお申し込みください。

「塔」7月号が届きはじめているようです。
特集「感染症と短歌」を組んでいますので、ぜひお読みください。
下半期の表紙はラ・フランスのキッチンタイマー。爽やかです。

さて、この7月号。背表紙の厚さを測ってみると1.3センチでした。

そしてこちらが、その7月号のすべての元原稿。
会員の皆さんの詠草用紙、特集、評論、書評、コラムなどの原稿の現物です。
クリップの厚みもありますが、10数センチはありそう。

毎月の「塔」の原稿の動きは…

①-A 詠草受付担当→選者のところへ詠草用紙が届く(選歌)
①-B そのほか諸々の原稿が澤村斉美さんのところへ届く
② 割付(どのページにどの原稿を載せるか、目次と一覧表を作る)→入稿(澤村)
③ 印刷所でゲラにしてもらう
④ 東京・名古屋・京都・大阪・芦屋・鳥取の6か所で初校作業
⑤ 初校ゲラをまとめて空きページなどを埋め、印刷所に送る(大森)
⑥ 印刷所からふたたびゲラを出してもらう
⑦ 京都で再校作業
⑧ 印刷所で印刷→発送

というのがおおまかな流れです。
②の「割付」と⑦の「再校作業」は、号はズレながらも同じ日に同じ部屋でやっていて、たとえば先月の20日(日)は8月号の「割付」と7月号の「再校作業」を同時におこないました。
毎月発行なので、つねに何ヶ月分かの「塔」が同時進行になっているんですね。

私は現在、上の流れのうちの⑤〜⑦を担当しています。
昨日ちょうど、駅のセブンイレブンから8月号の初校ゲラを印刷所へ送ったところ。
そして、今週末の土曜日には再校ゲラがわが家に届き、翌日に再校作業となります。

こんばんは。鈴木晴香です。七夕でしたね。

『塔』6月号、上杉憲一さんによる連載「わたしのコレクション 星の歌」では、七夕の歌が特集されていました。

クレヨンでうちゅうひこうしになりたいと書かれた短冊天文館に/上杉憲一

織姫にとっては、自分の方へ向かって飛び立とうとする、新たな星を発見したような気持ちではないでしょうか。

私も短冊を書きました。

「早く大人になりたい。」

切なる願いです。織姫も忙しいです。

 

みなさんこんにちは。鈴木晴香です。

相国寺承天閣美術館に「若冲と近世絵画」展を観に行きました。

若冲の絵の中には、リアルに描かれるところと、デフォルメして描かれるところ、漫画のように描かれるところが混ざり合っていて、その中に不思議な生命力を感じました。
葡萄の木など、蔦や枝が異様に絡み合っていて、本物の葡萄以上に、

生きている!

という感じがしました。

相国寺は静かで、いつ行ってもいいところです。
外国の教会とお寺の違いは、境内に庭がある、というところだな、と突然思い当たりました。
緑や石や苔に包まれた庭を歩く道が、異世界への入り口になっているのだと。

7月になりました。
暑くなってきました。
コーヒーの木の葉のみどりがうつくしく照り返しています。

 

いま働いている職場の窓辺にコーヒーの木を(勝手に)置いています。
写真に写っている木がそれです。(赤いマグカップは普通サイズです)

このコーヒーの木。育て始めて4年めを迎えました。

4年前の春のこと。11年ぶりにいまの職場に転勤になりました。ひさしぶりに訪れると、ひっそりとした静かなところだったのに、ちょっとしたショッピングモールができていたり、住宅地が増えていたり、病院ができていたり、いろいろ変わっていました。11年前にはなかった100円均一のショップも近くにできていました。

その春、その100円均一のショップで購入したのがこのコーヒーの木(当時は10センチくらい)でした。それから一度も外にだすこともなく、何度か鉢を大きなものに変えるくらいしか手入れをしていないのですが、こんなに大きくなりました。いまでは1メートルをこえるくらいの大きさになり、ずっと以前からここに居座っていたような存在感があります。

コーヒーの木には白い可憐な花が咲くそうですが、この木はまだ一度も花をつけたことがありません。それでもぼくはまったく悲観していません。そもそも100円ショップで購入した木がここまで大きく育っているのですから、何が起きても不思議ではありません。いつかきっと咲くでしょう♪

夏の野に誰をやさしとしのぶらん葉がくれにさく姫百合の花/村田春海『琴後集』1813

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