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アーカイブ "2020年12月"

 いやー寒いです。
 今日などは少しゆるんだのですが、間もなくまた寒波が来るということで、怖れているところです。朝のつるつるにまいってしまって、凍結恐怖症気味です。

 

 こちらはつらら。
 きれいでは、あるのですが。

   さびしさを軒のつららにたぐえし日さびしさを鋭きものとは思わざりしが
                           大島史洋『炎樹』

 
 
 

 本日、冬至です。〈陰きわまりて、陽に転ず〉の日、ですね。
 かぼちゃや小豆を食べたり、柚子湯に入ったりと、いかにもパワーのありそうなものたちに託された思いを感じます。
 ということで、かぼちゃと小豆は昨日のうちに炊いてたのですが、柚子は全部使ってしまっていました。というか、無農薬の、すばらしいいただきものを、お湯にいれるのはとてももったいなくて……。
 はちみつ漬けとゆず酒へとあいなりました。

  鳥栖まぬ巣箱の夜明け鳥栖まぬ巣箱の日ぐれ冬至のひと日  柏崎驍二『月白』

  柚子の実がさんらんと地を打って落つただそれだけのことなのよ 
                              山崎方代『方代』

昨日からの大雪で東北や北陸地方は車の立ち往生など起きているみたいですが、みなさんのお住まいの地域は大丈夫でしょうか?

私の住んでいる京都洛北、岩倉は古来「京都のチベット」と呼ばれ、雪深いことで知られていました。(古来って、いつの時代?)

ともあれ、山沿い(いや、正確には山中?)ですし標高も高いのでよく積もるのですが、昨シーズンはまったく雪も降らずでした。せっかく12月の初めにスタッドレスタイヤに交換したのに、という感じ。

ということで、久しぶりに雪を見たなぁ、と庭駆け回る犬よろしく、夜雪撮影に。これはこれで楽しいのです。

降りすぎる雪も困りものですが、やはり冬にはちゃんと寒くなってもらって雪も降らして貰わないと、色々と困ることが起きてくる。雪解け水が色んな場面で大事な役割を果たしていますしね。

けど去年は雪不足でスキー場は大変でしたが、今年はせっかく雪があってもお客さんあるのかな。そっちはそっちで心配。

今年もあと2週間!

 

降りはじめの空の暗さもゆつくりと雪は真白に染めてゆきたり  小林真代『ターフ』

今日はこれから明け方にかけて、ふたご座流星群が観測可能。灯りの多い街中でなければ、1時間になんと約50個も見えるそうです。

さっきから寒いなかマフラーまで巻いてベランダに出ているのですが、私がいま住んでいる高槻市はやはり明るすぎるようで、なかなか流れ星が見えません。そこで、ちょっとズルではありますが、YouTubeのライブ配信で、長野や宮崎など全国各地の条件のいい夜空の映像をリアルタイムで眺めています。部屋の電気を消すと、ほぼプラネタリウム。びっくりするほどたくさんの流れ星が見られました。流星群を「見た」というには物足りず、かといって「見ていない」わけではないような、何とも不思議な感じ。YouTubeのコメント欄では、この夜この動画を楽しんでいる視聴者の人たちが、思い思いの願いごとを書きこんでいます。壮大な夢からささやかな願いまで、だんだん流れ星よりも他人の願いごとを読むほうに夢中になっていく…

夜空の写真はないので、これは地元の岡山駅前の桃太郎像。ライトアップの季節だけ、桃が出現します。これだと、桃太郎だけでなく犬、猿、雉子たちまで桃から生まれたみたいだけど。

こんばんは。
自分の本の告知で申し訳ありませんが…

明日、『この世の息 歌人・河野裕子論』が発売になります。
2014〜2016年に「梁」(現代短歌・南の会)誌上で連載したものをまとめました。

定価:本体2500円(税別)
発行:角川文化振興財団 
発売:株式会社KADOKAWA

https://www.kadokawa.co.jp/product/322008000558/

没後10年。
河野さんの歌がさらに多くのひとに読み継がれてゆく、そのきっかけのひとつになれば幸いです。

みなさん、こんにちは。
残念ながら、ふたたび休止せざるをえない歌会が増えているようです。
「塔」11月号のp.226-227の「はじめてのオンライン歌会はじめます」という頁はお読みいただけたでしょうか。塔では現在月に2回、オンラインチャットツール「zoom」を使った歌会を開催していますが(司会は沼尻つた子さんと佐藤涼子さん。日程などの詳細は随時、このホームページの「お知らせ」欄とイベントカレンダーにアップしています)、zoomの始め方や操作の仕方がわからず参加をためらっておられる方も多いかと思います。そこで、鈴木晴香さんが中心となって、初めての方を対象とするzoom歌会をおこないます。

以下の日程で、それぞれ選者の三井修さんと花山多佳子さんが参加されます。全国各地の自宅にいながらにして、三井さんや花山さんの批評を聴けるチャンスでもありますので、みなさんぜひお申し込みください。
詳細は該当頁をご覧ください。不安な方には、事前講習も可能だそうです。

【三井修さん参加回】2020年12月27日(日)15時〜16時半
【花山多佳子さん参加回】2021年1月24日(日)15時〜16時半

内容:自由詠1首(前日までにメールで提出)
参加費:無料
定員:各回先着10名

写真はまったく関係なく、比叡山延暦寺の手水に並ぶ玩具のアヒルたち。誰が並べていったのでしょうか。

みなさんおはようございます。鈴木晴香です。

大阪の詩歌専門書店「葉ね文庫」で、1年を通して行われている「葉ねのかべ」。
短歌や俳句や川柳と、アートがコラボレーションする企画です。

数ヶ月の単位で内容が入れ替わるのですが、現在は、中山奈々(俳句)×鈴木マヤ子(絵画)の展示中ということで、行ってきました。

一文字が抜けぬ眼の夜長かな/中山奈々

秋の夜長のこと。
眼の中に棘が入って取れないように、
ある「一文字」が残像となって目に映り続けている。
それは、嬉しいとか悲しいとか、簡単な感情に押し込められないものだから、
長い夜のあいだじゅうずっと囚われ続けてしまう。
「抜けぬ」という動詞にはっとする一句です。

この句と、鈴木マヤ子さんの眼のような絵の存在感が重なり合って、すっかり圧倒されました。
中山奈々さんの文字も生き物のようで、文字そのものが語るとは、こういうことかと感じます。

こんばんは。鈴木晴香です。

秋ですね。もう冬か。
でも、まだ、紅葉は色づいていて、未練があるようです。

金色のちひさき鳥のかたちして銀杏ちるなり夕日の岡に/与謝野晶子

金色の小鳥が空を舞って、夕日に溶けてゆく世界に、一瞬にして連れていかれるよう。晶子の目に、秋はこんなにも可愛らしく映っていたのかと、胸を打たれます。

さて、もみじを、なにに喩えよう。

もみじをまんじゅうにしよう(言わずと知れた、広島の名物です)と思ったとき、
もみじを天ぷらにして揚げよう(箕面の名物です)と思ったとき、
そこには詩があったのだと思います。

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