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アーカイブ "2020年08月"

この週末も暑かったですね。
子ども連れの行先は悩ましく。屋内はいろいろ気を遣いますし、外は暑い!

というわけで、昨日は子とふたりでサンダルをもって鴨川にいきました。
デルタの西側だから、正しくは賀茂川?
亀石を飛んだり、浅い川のなかを歩いたり。疲れたら木陰で休憩です。
(水遊びの最中は撮影できず。ベランダで干しているサンダルの図なり)

鴨川といえば、塔9月号の永田和宏さんの作品に

 鼠捕りの鼠を水に沈めたるかの夏の日の鴨川の水

という歌があり、塔の作業の場でも話題に。
「男の子の仕事」だったのだそう。
いまだと鼠捕りは見ないし、ジェンダー的にもどうかな。
子と川遊びしている目の前を、鼠が流れてきたらびっくりしますが!

 山歩きなどもするのですが、歩いていると、びっくりするほど、いろいろなところに歌碑や句碑があるなあと思います。草むらの中とか、崩れた建物の裏手とか。いままではそれほど興味がなかったのですが、この頃、面白く思えてきました。

 こちらは花巻温泉の与謝野夫妻の歌碑。

 こちらは少し前に伺った沼津の牧水の歌碑。幾山河の歌ですね。千本浜公園の中にあります。

  わがために一基の碑をも建つるなかれ 歌は集中にあり人は地上にあり
                             土岐善麿『寿塔』

 こういう考えもありますが…。
 でも、その場所に言葉が刻まれて立っているということに意味があるような気もしますし、そういうことをする人間というものを面白く思います。

 

  間もなく9月ですが、まだまだお暑うございます。
 油照りのなか、果物が実っています。
 こちらは桃。

 このようにも変身します。

 冷たいものをずいぶん食べた夏でもありました。

  桃二つ寄りて泉に打たるるをかすかに夜の闇に見ている  高安国世『街上』
 
  廃村を告げる活字に桃の皮ふれればにじみゆくばかり 来て 
                      東直子『春原さんのリコーダー』

本来なら、明後日には全国大会があって、皆さんとお会いする筈でした。
で、気付いたのですが、毎年この時期にブログ当番が回ってきます。これはもう天の配剤としか思えません。何がって?いや、僕の誕生日がくっついてくるからです。
あ、今日がその誕生日でもうあまり目出度くもありませんが、47歳になりました。

こんな公の場で誕生日を宣伝しても仕方ないのですが。

本来なら全国大会の準備に慌ただしくしているころだったんですけどね。年に一度のお習字もしませんでしたし、大会参加者の詠草を読むのもなくなりましたし。(こんな切羽詰まった直前にやってたの?というのは内緒の話)

大会がないと、なんだか夏を終わらせられないようなそんな気がするのは僕だけじゃないでしょうね。

で写真は相変わらず何の関係もありませんが、晩夏の光のなかで繰り広げられたドラマの一場面。油蝉の背後からハラビロカマキリが狙っています。

で次の瞬間がこちら

なんだかよく分かりませんよね。シャッタースピードが遅かったので、こんな残像になってしまいましたが、カマキリがアタックしたものの、見事に油蝉に逃げられところです。左下の赤くぼやけてるのが蟬、緑色がカマキリです。なんか一首になりそう。

あまりにも短歌と関係ないことばかりなので、せめて一首なりとも

帰り来る悔こそひとり蟷螂(かまきり)も机上の壺も夕暮の燐  『子午線の繭』 前登志夫

ただいま、8月19日の午後9時前ですが、塔の10代、20代のまだ特集に原稿を出していないみなさん、実はまだ間に合うのです!(え?言っちゃっていいの?)

ここだけの話(って、めっちゃオープンな場じゃないですか?)、まだ猶予があります。
今から7首かき集めて、ちゃちゃっと200字ぐらい何でもいいので、書いて出しましょう!

母が「なんでもいいから、日本語が並んでればよろし」と口癖のように言ってました。
事前に周到に用意して、推敲に推敲を重ねて作るのはもちろん大事です。けど、それ以上に欠詠しない、チャンスに乗り遅れないことの方が遙かに大事です。

僕自身はこの10代20代特集が始まった最初から参加していて、多分8回ぐらい出しています。塔に歌を出していない休眠状態の時でもこの特集にだけは出していました(せこい!笑)

出さなければ、必ず後から後悔しますので、是非に!(具体的にいつまで猶予があるか、ということは言えませんが、まだなんとかなります)

で、写真はまったく関係なく、自宅でやっと咲き始めたタカサゴユリかな?テッポウユリかな?

十代または二十代の会員のみなさん、10月号の「十代二十代歌人特集」の原稿は提出済みでしょうか。〆切があさって18日(火)に迫っています!

①作品7首(タイトルつき)
②顔写真(似顔絵も可)
③エッセイ12字×17行(テーマ自由)

の3点を、担当の永田紅さんまで送ってください。メール送付でもOKです。送り先の詳細などは「塔」8月号のp.120に載っています。

隔年で組まれるこの特集、私は入会以来、21歳、23歳、25歳、27歳、29歳とぜんぶで5回参加しました。読む側にまわる今年は、みなさんの作品とエッセイを心から楽しみにしています。今からでも間に合うので、ぜひ送ってください。

写真は、この夏何度もつくった「桃モッツァレラ」。岡山の実家から白桃が次々に(しかも箱で)届いて、追いかけられるように桃を食べた幸せ。桃とモッツァレラチーズをオリーブオイル、胡椒、あればワインビネガーで和えるだけです。

まだしばらく、猛暑が続きそうですね。

8月12日。
河野裕子さんが亡くなられて、今日でちょうど10年ですね。

そろそろお手元に届く頃だと思いますが、特集「河野裕子没後十年」が組まれた「塔」8月号は通常号としては異例の分厚さ。公募エッセイ「河野裕子一首鑑賞」には143篇も応募がありました。小川和恵さんと永田淳さんの大変な苦労によって実現した、2001年の全国大会in宮崎での永田和宏×河野裕子の公開対談「歌を作って三十年」の再録も、河野さんの話し言葉の雰囲気や当日の会話のテンポが臨場感たっぷりに伝わってきて、とても読み応えのあるものになっています。

総合誌でも、「短歌」8月号と「歌壇」8月号でそれぞれ、河野さんの短歌に迫る大きな特集が組まれています。塔の歌人も多く寄稿しているので、ぜひお読みください。

今日は全国各地でゲリラ雷雨があり、不思議な空でした。
朝は晴れていたのですが。蝉がわんわん鳴いています。

こんにちは。

毎日夏ですね。当たり前ですが。
でも、当たり前のことが当たり前ではないことに気づくこの2020年です。

ラジカセの音量をMAXにしたことがない 秋風の最中に / 五島諭

たまたま入ったカフェでラジカセというものを久しぶりに見て、この歌を思い出しました。
ラジカセの音量だけではない。
自分の声も、短距離走も、長距離走も、恋も、友情も、すべて、
いつだって少しずつ気を遣って、ボリュームを下げている。
音量を下げた状態が日常化していて、
なにも感じないようになってしまっている、そんな静かな秋風が肌に触れているようです。

今年の秋風の最中には、どのような世界になっているのでしょうか。
秋は、まだまだずっと先です。

みなさんこんにちは。鈴木晴香です。
暑い日が続きますね。

あまりに暑いので、お昼休みに水遊び。
日差しを遮るものがない川など、余計に暑く、
オフィスにいた方がよっぽど涼しいのですが、
水を見ているとなにか、体の内側が冷えてゆくような気がします。

とび石の亀の甲羅を踏みわたる対岸に長く夫を待たせて/大石悦子

2012年の歌会始に選ばれた短歌です。
先にどんどん進んでしまった夫、ゆっくり一歩ずつ進んでゆく妻。
つれない夫のように見えるけれど、でも、妻が転ばないか対岸でちゃんと見守っている。
妻の方は、夫が待っていてくれるから、安心して足を踏み出すことができる。
そういうふたりの、静かな、しかし深い繋がりが見えてきます。

そしてこれは、ふたりの人生のこれまでもこれからも示しているんだろうなと思います。

私はこの時の題は「亀」だと思っていたのですが「岸」だったんですね。
そのくらい、この亀の愛らしさが印象的で、
荒神橋を渡るたびに(それは私にとって毎日の出来事ですが)、この歌を思い出すのです。

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