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アーカイブ "2020年05月"

昨夜20時〜22時ごろ、塔で取得したzoom(テレビ通話)アカウントを使って塔の第一回zoom歌会をやってみました。東北、関東、中部、関西など全国各地から9名が参加。普段はなかなか会えない&話せないメンバーで歌会ができて、なかなかよかったです。

しばらくの間、私と鈴木晴香さんで交代で司会をしながら月に2回ずつ開催することになりました。パソコンやスマートフォンをお持ちの方は誰でも無料で参加可能です。zoomの使用方法に不安がある方、ご連絡いただければ詳しくご説明します。そんなに難しい手順ではありませんのでご安心ください。

第2回の予定は

6月12日(金)20:30〜
自由詠1首
司会:鈴木晴香さん
定員:8名

となっています。

参加してみたい方はホームページの「お問い合わせ」フォームからご連絡ください。第2回が満席の場合、第3回以降のご案内をしますので。

グアムでは十年余り前まで、政府公認の唯一のギャンブル、
ドッグレースが行われていました。一周五百メートル弱の
トラックを、大型のグレーハウンド犬が、時速70キロもの
スピードで走る、と聞いてグアムを訪れた折に足を伸ばしました。

賭け事には興味がなく(そんなお金あったら、自分に賭ける!)
観るだけ、のつもりでした。写真のように、出場前にエントリー
された犬たちがお披露目され、観客は身近で犬の状態を
確かめることもできます。どの犬も興奮気味。少しでも
身体を軽くしておこう、との意図でしょうか、目前で
脱糞してしまう犬もいて。なんだかとても愛おしくなり、
私も、「やっぱ、賭けてみよう!」と、馬券ならぬ、犬券を
買い求めに走りました。果たして、成果は?

三度ほど買いましたが、かすりもせず・・・。
やっぱ、観るだけにしよう、ここでシャカリキになったら、
日本に帰れなくなるかもしれん・・。と自分を諫め・・・。
しばらく犬が走る姿を集中して観ていました。
競馬と異なり、犬は騎手を載せたりしないので、とにかく、
身軽に美しい。勿論、馬の走る姿も美しいけれども、
地面とほぼ水平に飛ぶように駆け抜ける姿は、特に素晴らしい。

すると、そこへ、これまで見たどの犬よりも美しい、と
思われる犬が登場したのです。バランスの取れた筋肉。
落ち着いた表情。言い忘れましたが、競馬の馬と同様、
どの犬にも名前がついていましたが、この美犬は、なんと、
Assassin! 「暗殺者」なのでした。む~、何という凄い
名前なんだろう! と、唸り、何も考えずにそのまま
犬券売り場の窓口に駆け込み。そうして・・・・・。
みごと一着でゴール!損した分ほど戻ってはきませんでしたが、
何だか、本当に嬉しくなって、今もあの夜のことを思うと、
胸がワクワクします。

 脱糞を遂げたるのちは全力で駆けもどりくる一頭を待つ
               なみの亜子『ばんどり』


このコロナ禍で、今年はお花見もできずに過ぎました。我が家の
近くにも、ちょっとした桜の名所があるのですが・・・。
そこにさえ、足を運ぶことなく。

一昨年、ちょうど桜の満開の頃に都内に用事ができ、少し迂回して、
目黒川のお花見に出かけたことを思い出しました。上の写真は、
目黒駅前の権之助坂。私は学生時代、このあたりにあった信託銀行で
アルバイトをしていたのですが、もう確たる場所がわからないほど、
変わってしまっています。

目黒川も私の記憶の中では、都市の谷間を流れる、小汚い小河川、
というイメージでしたが、見事に変貌を遂げておりました。
行き交う人々の間から、中国語や韓国語も聞こえ、欧米の人の姿も。
目黒川に掛かる新橋の上、多くの人の頭上からカメラを差しだして
撮影してみました。

  紙風船が吹かれるほどの風に浮くさくらはなびら川は吸い寄す
                 花山周子『林立』
  四階の部屋の窓より見下ろせり高き護岸の間(あひ)の目黒川
                 花山多佳子『晴れ・風あり』

三週間ほど前、朝刊に長谷川郁夫氏の訃報をみつけた。享年七十二。
学生時代に出版社小澤書店を創業された方である。すぐに思い出したのが、
「前川佐美雄全集」。佐美雄の『植物祭』『大和』『捜神』は、現代歌人
全集に収録されているので読んでいる。だが、他の歌集、たとえば『天平雲』、
『積日』などを読みたい。佐美雄の自選集『方響』に、一部を読むことが
できたが、それだけでは物足りなく思っていた。
やがて、小澤書店から「前川佐美雄全集全五巻」が刊行されると知った。
四半世紀くらい前になる。
購入したい、と思ったのだが。ちょっと躊躇したのは、お値段。
一冊一万円プラス消費税。当時は三%だったけれど、やっぱ高いよね。
えいっと、それこそ山から飛び降りるつもりで買いました!まず第一巻。

  たつた一人の母狂はせし夕ぐれをきらきら光る山から飛べり
                    前川佐美雄『大和』

一巻には、天皇を神格化し、戦争に高揚する作品を収めた『日本し美し』
等の歌集を収められていた。この歌人の知らなかった作品群に驚き。
短歌の韻律がそそのかす負の側面か、と思ったりもしたのだった。
それでも、『天平雲』をじっくり読めたことが一番の収穫。

  山上の湖(うみ)の水ひくく漏れて来てまたつくる青くちひさなる湖
                   前川佐美雄『天平雲』

全集の第二巻までは歌集篇だったので、第二巻までは頑張って買おう、
と思っていたのに、いつまでも刊行されず。2000年、小澤書店は倒産。
私の手元にはこの一冊だけが残りました。

今年はネズミ年、とネズミの歌などを詠み合ったのはつい五か月ほど前。
もう何年も前のことに感じます。この間に起きたことが凄まじすぎて。

気を取り直して、もう一つ、ネズミに関する話題を。
写真は、オーストラリアに棲息する鼠の仲間、ウオンバットです。
体長はせいぜい数十センチ、でも体重は30~35キロほどにもなる、
ずんぐりむっくり。カンガルーなどと同じく、小さく子供を産んで、
しばらくおなかの袋の中で育てる、有袋類です。
  ウオンバットといふは巨大なる鼠にて吾ら見せらるその尻の張り
                    大辻隆弘『デプス』
  老齢のウォンバット一頭多摩にいて丸太を抱きて眠る話を
                    永田紅『春の顕微鏡』
この体型とちょっととぼけた仕草が親しみをよぶらしく、ウォンバットは
オーストラリアでは児童書の世界でも人気者です。

せんじつ、タンポポを育てている話を書いたが、
タンポポにかぎらず、植物を育てていると(植物に限らないが)、虫や病気など、いろいろある。
タンポポの場合、葉が白くなるウドンコ病、そしてアブラムシがつきやすい。
強い植物なので、そんなに心配することはなく、だめになった葉はむしりとってやればよい。
薬を使ってしまうのが楽だろうが、虫に気づいたらつぶしてやるというのでもよい。広大な畑でなければ、そのくらいでなんとでもなる。

先日、こういうことがあった。
家の中にテントウムシ(ナミテントウの紅型)が入っていたので、ベランダに出してやったところ、翌日もしばらくそこにいて、タンポポのアブラムシをあらかた喰ってどこかにいなくなった。

ずっと居ついて、アブラムシ警備要員になってくれないか……と思っていたのだが、なかなかそんなにこちらの都合を忖度してくれるわけでもない。
そのうちまたアブラムシが増えてきた。

それから一週間して、ふと見ると、小さな黒い虫が動いている。
なにかまた害虫か? と思ったが、どうも様子が違う。こういう小さいものを注意して見たことないが、これはテントウムシの子どもだ。卵から生まれて間もない若齢幼虫にちがいない。

5~6匹いる。見ていると、アブラムシを捕まえて食べている。どんどん食べる。
先日ここに滞在したテントウムシが卵を産みつけていったのか。
 
これは面白くなってきた。

と思っていたのだが、1日もたたずに、アブラムシがほとんど見つからないぐらいになってしまった。
生まれてわずかな期間だが、はやくも餌不足に直面することになる。
ナミテントウの幼虫はアブラムシ以外のものも食うことがあり、それに期待したいところだが、密度高く飼育している場合に餌不足になると〈共食い〉するらしい。
 
彼らを救済するために、どこからかアブラムシを捕獲してくる……という考えは、即座に家人から却下される。
これも運命のめぐりあわせということだ。
 
それにしても、旺盛な食欲である。
アブラムシがほぼ根絶される。

つぎにアブラムシが増えてきたときには、テントウムシの幼虫を1~2匹つかまえてくるのがよさそう。彼らは飛んでゆかないから、しばらくのあいだ仕事してくれるはず。

これはナナホシテントウの終齢幼虫。

粉状(こなじやう)のアブラムシ喰ふ粒(つぶ)ほどのテントウムシをり緑の世界/栗木京子『南の窓から』

みなさま、こんにちは。

ステイホームが続く中、オンラインでの歌会の話をよく耳にするようになりました。

そこで、塔短歌会でも、zoomの有料アカウントを取得しました。
会員の方は申請すればどなたでも利用することができます。
ぜひ、この機会にオンライン歌会を開催してみませんか。
パソコンかスマートフォンがあれば、無料で利用できます。

オンライン歌会の開催を希望される方は、
塔ホームページの「お問い合わせフォーム」に申請してください。
担当者より、連絡いたします。

さっそく大森静佳さんと鈴木晴香さんが歌会を企画されて、
すぐに定員に達したようです。

みなさまぜひご活用ください!

そろそろ、緊急事態の峠は越えた のか。
いきなり大丈夫というのでもなく、いろいろ用心しながら……というほかはあるまい。

人の少ない時間帯に、外の空気を吸いにゆく。
ちょっと出ないあいだに、季節がどんどん進んでゆく。

これはイヌビワ。
無花果のなかまだがずっと小さい。
無花果に比べれば味も落ちるらしいが……

鳥が空をわたりし太古のまひるまの陽光をおもふ イヌビワを食ふ/岩野伸子『霧と青鷺』

秋まで待つと、それなりに甘味があるらしい。

ここ何年か、在来種の(形質をもつ)タンポポを育てている。

在来種と見えるものも、外来種と見えるものも、おおかたは交雑しているらしく、もはや純粋というものはないらしいけれど、近所に群落をみつけて、そこから種を少しもらってきて鉢で育てている。
なんということないタンポポだが、近くにあって毎日見ていると、いろいろ発見がある。たとえば花は夕方には閉じて午前中、日が出てから開く。開花して最盛期の蕊はくるりくるりと先がカールしている。
セイヨウタンポポは自家受粉するが、在来種のカンサイタンポポやカントウタンポポは他の花の花粉でないと種ができない。花粉は虫に運んでもらうのが前提だが、そんなに都合よく虫が来てくれるわけでもないので、育てて種をとるような場合には人間が手助けしてやったほうがいい。
隣どうしにある株の花と花とをすりあわせて花粉を交換させたりする。

うまく結実したものは、このくらい。
左のほうにまとめたものは結実しなかったもの。何もしないと、こういうのが半分以上の割合になってしまうこともある。

種とってどうする?
とも思うが、とりあえずあちこちに。

たんぽぽの穂絮が保つ透明のあやうきさまに一日あり経(へ)つ/高安国世『湖に架かる橋』

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