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アーカイブ "2018年02月"

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写真は東京の東部を流れる江戸川。川向うは千葉県松戸市です。
東京の南西端に住む私にはとても遠いところで、昨秋、初めて
近くを散策してきました。思っていたより小さな川ですが、当日、
水量は豊かでした。今は江戸川大橋を始め、橋は沢山架けられていますが、
かつては渡し船が重要な交通手段だったようです。演歌で有名な、
矢切の渡しですね。
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今はこんな感じ。観光用に細々と営業されています。かつては
(演歌に知るまでもなく)川を渡ることは、大変なことだったでしょう。

  江戸川を越えれば松戸トンネルの灯があかあかと、帰り着きたり
                   小林幸子『水上の往還』

この作品は2011年3月11日の、東北大震災の日の、体験から詠まれたもの。
現代にあっても、非常時には、川を渡り終えるまで、不安と緊張が
並々ならぬものであったことが伝わります。

大阪・梅田エリアもずいぶん変わった。
もう何十年も、どこかが工事しているという感じで、いっこうに落ち着かないが、この作品は1950年代。

OSAKA STATIONのネオンがまるい肩をうき上らせる まぶしさに寄添いながら/宮崎信義『交差路』

戦中に(未完成のまま)営業を開始した3代目の駅舎は、南側の正面から見て凸型。中央に時計、右肩の部分に「OSAKA STATION」とシンプルでまるみを帯びた書式で、なかなかスタイリッシュなものだったようだ。
4代目というか5代目というか、高層ビルをばんばん建てた今の姿しか私は知らないが、これはもはや駅だかなんだかわからない。

駅の北側も、高層ビルが林立するようになってきて、さらに再開発が進行中。新大阪から大阪駅を通らず和歌山方面に向かう線路は地下化するのだという。
この線路は貨物ヤードだったところの西端を通っていて、もともとは貨物用の支線。安治川口の貨物駅に出入りする貨物列車が今でも一日に5往復ほど設定されている。

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地下化されれば西梅田のこの踏切もなくなることになる。
間近に貨物列車を見ることのできる場所の一つであるのだが、交通の障害であるし、鉄道側にとっても踏切というのは難所の一つなのだから、仕方がない。
この近くにもうひとつある環状線・福島駅下の踏切は、高架線への傾斜の途中にあって、無くすことができないらしい。既に多くの道路が交錯する中の線路であるので、なかなか難しい。
 
このあたり、昭和初期まで堂島川、道頓堀川から水路が入って、貨物ヤードの中に船だまりがあったことが古い地図で確認できる。
鉄道貨物は、小船に乗せ換えて市中の倉庫や店、工場に運ばれていったのだった。

さらに古い時代。地名「梅田」=「埋田」というのはよく知られているが、江戸時代には墓地としても知られていたらしい。
貨物ヤード跡地の再開発にあたって発掘したところ、たくさんの墓石や人骨、副葬品がでてきたという。

http://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kyoiku/0000413269.html

まさに、このあたり。

貨物列車を興味をもって眺めるようになったことの、もうひとつは、毎朝の通勤電車の車窓から、しばしば目撃するこの列車。

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直流電化の東海道本線で、あまり見ることのない交直流電気機関車(といっても10本に1本ぐらいはあるのだが)。交直流ということは、交流区間から来るはず……と、調べてみると前夜遅くに新潟を出発する便であることがわかる。

新潟から大阪への便といえば、福井県在住の上田さんにはこんな作品があった。

山峡の夜更けの駅を長き音引きずりてゆく貨物列車は/上田善朗『紅映』

この時間に到着する便の敦賀・福井通過は午前4時台なので「夜更け」というよりも明け方に近いが、北海道・東北の日本海側・北陸方面 と 名古屋・関西・中国地方を結ぶ列車はたくさんある。

この冬、日本海側の地方は大雪で、こういった列車はしばしば遅延、運休になり、数日遅れで雪まみれで到着したりするものも多い。

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そんななかで、今朝到着する便は、定刻で吹田-大阪貨物ターミナルの貨物支線を通過していった。
当方も、駅まで小走りになりながら、阪急京都線のいつもの通勤電車に間に合った。

通勤電車も貨物列車も、それぞれ定刻ならば、この場所で出会う。秒単位の定刻ダイヤでそれぞれ運行されているということだ。

真面目すぎるぞ とも ごくろうさま とも思いながら。

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今朝の読売新聞の詩歌コラム「四季」(長谷川櫂)に、松原あけみさんの歌集
『海盆』の歌が引かれています。

なぜ泣きしか今もわからずきらきらと三角定規は光をとほす
             松原あけみ『海盆』

『海盆』は本阿弥書店から昨年12月に刊行された作者の第2歌集です。
http://www.honamisyoten.com/bookpages/ST201713392.html

貨物列車とか貨車の名歌といえば、まず思い出すのがこのあたり。

連結(れんけつ)をはなれし貨車(くわしや)がやすやすと走りつつ行く線路の上を/佐藤佐太郎『歩道』

昔は、貨物駅といえば操車場という感じで、駅で貨物車に積み込んだり、荷主側が仕立てた貨車を引き入れて、それを連結して列車に仕立てび、途中駅で切り離したり連結しなおしたりしながらそれぞれの貨車を目的地に送るということをしていた。そんなふうに連結したり切り離したり車輛を操る操車場。
連結を効率的に行うために、連結を開放した貨車は突き放して惰行させ転轍機で連結すべき列車のはるほうに誘導して連結した。ちゃんと目的の列車まで到達するようにゆるい坂を下るようにしているところもある。傾斜があれば、なお「やすやすと」ゆく。
傾斜をつくための丘のことを坂阜(または阪阜 はんぷ=hump)と呼ぶ。

坂阜線くだる散転貨車の上日にさらされし熱気が打ちぬ/御供平佶『河岸段丘』

スピードが出過ぎても困るので人がブレーキをかける。貨車につかまってブレーキを操作する危険な作業だ。
作者の御供さんは鉄道警察官のキャリアが知られているが、若いころには操車場にいたこともあるらしい。
 
時代がかわって、鉄道貨物のほとんどはコンテナ。貨車を連結するのではなくコンテナを積み込むことで列車を仕立てればよい。連結したり解放したりするのも2両とか4両の単位。これだけのものになると重量も相当だから突き放したりしたら危なくてしょうがない。

コンテナ台車には「突放禁止」と書いてある。
連結して列車を仕立てるのは入替用機関車。押したり引いたりしながら列車を仕立て、列車を分割して荷役線に送り込んだりする。
 
もはや佐太郎の作品のように「やすやすと走りつつ行く」のを見ることは、ほとんどない。

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もうひとつ佐太郎の作品。
これも名歌。

連結を終りし貨車はつぎつぎに伝はりてゆく連結の音/佐藤佐太郎『帰潮』

 
列車に本線用機関車(本務機)が連結するとき、入替用機関車が列車を仕立てるために数両のコンテナ台車とコンテナ台車をつなぐとき、連結の音に耳を澄ませるのだが、そんなにはっきりと「つぎつぎに」ということはない。
昔に比べれば連結装置の性能も違うし、突放して速度をもったまま連結することもない。連結直前でいったん停止して、おもむろに連結するから後方の車両にまで伝わる衝撃にならないのだろう。

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いま、貨物ターミナルで響いているのはフォークリフトがバックするときの警告音。
列車の入替が行われているときには、からんころんとチャイムが鳴っていたりする。

写真は大阪貨物ターミナル(鳥飼)。わが家の近所。

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今月20日に文春新書から、永田和宏さんの『続・僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう』が刊行されます。京都産業大学で行われた対談シリーズの2冊目で、ゲストは池田理代子さん、平田オリザさん、彬子女王さん、大隅良典さん。

https://www.amazon.co.jp

それほど熱中したことはないのだが、鉄道はわりあい好き。
「塔」では1年ほど「鉄道の歌」の連載コラムを書いたことがある。
 
鉄道趣味にもいろいろあるが、これを「詠みテツ」とか「読みテツ」という。
 
ここ数年、東京と大阪の間を往復しているのだが、早朝や深夜の東海道本線の駅で電車を待っていると、ほとんど数分おきに貨物列車が通過するようなことがある。昼間も20分とか30分に1本は貨物列車が来て、それも時刻が一定しているということがわかってくる。
そうすると、これはどこから来てどこまで行くのかが気になってきたりして、調べてみれば「貨物時刻表」なるものもあって、それを参照すると、北海道から来る便であったり、鹿児島へ向かう便であったり、そういうことがわかると、ずいぶんの距離を「ごくろうさま」という気分になるものだ。
ときどき寄り道をしたり、家の近所の貨物ターミナルを覗いてみたりする。

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操車場夜の高き燈に照らされて白き煙のちぎれちぎれに飛ぶ/高安国世『虚像の鳩』

多くの貨物列車は、深夜に出発して早朝に到着する。
だから、昔も今も貨物駅は夜に忙しい。鉄塔の上の照明が皎々と照らしている。

昔と今の違うのは、蒸気機関車の煙が無いこと。
本線はほぼ電気機関車。
入替作業にディーゼル機関車が活躍するところも多いが、写真の大阪・百済貨物ターミナルは本線を牽引してきた電気機関車が直接入替作業まで行うところ。最新式の貨物駅だそうだ。

電気機関車が奥まで入るということは、架線が奥まで張ってあるということ。
そうすると、フォークリフトでコンテナを積み下ろしたりするときに危なくてしょうがないが、荷役中は架線に電気を通さないようにするのだとか。

昨日・今日は、カレンダーどおり休みでした。
昨日は京都市動物園へ。
家族3人で行くのは、これで3回目。

昼から風が冷たくなってきて、
ゾウさんたちも寒さしのぎでしょうか、
このように群れで固まっていました。
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もっとも、わが子の最大の関心事は
園のなかにある「子供汽車」に乗ることなのでした…

宣伝にて失礼します。

京都造形芸術大学にある劇場「春秋座」にて、祗園甲部の「都をどり」が開催されます。
それに伴って、都をどり短歌賞が行われます。

募集要項はこちら

http://www.creativewriting.jp/miyakouta/index.html

投稿は無料、短歌賞に選ばれると同大学の春秋座へと続く回廊の大きなガラス面に作品がカッティングシートにて展示されます。
また都をどりの観覧券も副賞として出ます。

募集は3月4日までと短いですが、みなさん、是非どしどし応募してください。

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今日は、北野天神に出かけました。
息子とふたり、バスでふらっと。
もう梅の花が、ほころびはじめていました。

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本殿では、お賽銭ではなく
玉砂利を拾ってなげることをやめない息子に
困る父なのでした…

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