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アーカイブ "2015年10月"

退職後、焼き物を趣味にしていた私の父。
年齢的にもう続けられないと言いだし、
庭に建てた作業場を片付けて、と頼まれた。
作品の中からいくつかと、買い集めた品の中から
いくつか、記念に分けてもらうことに。
大きなものは、我が家にももう余裕ないので捨てるしかない。
箸置きは、綺麗なものが沢山あった。
置き場所に困るものではないので、もらって帰ってきた。
写真はその一部。親の家のお片づけは、かなり寂しいもの・・・。

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かつて台湾を支配下に置いていた日本、
統治者として横暴な面があった一方で、台湾の近代化に大きく貢献するような
大規模なインフラ整備を行ってきたことも事実のようである。
たびたび深刻な干害に襲われていた嘉南平野に
大がかりな灌漑施設・嘉南大圳を建設したのが、総督府の土木技師、八田与一。
嘉南平野は、稲と甘蔗が実る豊かな平野に生まれ変わった。
  
  車窓より緑ゆたかな稲穂の波果しなく続く嘉南平野は
  植民地に凡ての施設造り賜ふ恩恵に浴す我が蓬莱島                                        陳淑媛「塔」2014年12月号

写真は、三年ほど前に台湾を訪れた際のもの。

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世界にはいろいろな花を食べる文化があるけれど、
とりわけ風雅に思えるのが、中国の桂花醤。
木犀の花を砂糖漬けにしたもので、香りの高いものを金桂、
やや低いものを銀桂と呼ぶらしい。風邪やのどの炎症にも
効くとして、薬用に用いられてきた歴史がある。
中国の桂林の名産としても知られ、杏仁豆腐など
デザートに多用される。写真は横浜の中華街で購入したもの。
我が家にも六本、金木犀を植えているので作ってみたい、
とは思うのだけれど、ほこりやごみを取り除くのが大変そう。
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もともとは京阪間の農村地帯。
かなり宅地化しているけれど、水田も残っていて用水路に水が流れている。

その水路の鯉。

用水路は、地元の農家が共同管理することが多いが、この水路はどうなっているのだろう。水路というか、鯉のことが気になるのだが。
市役所には少し前まで「水路課」というのがあったはずだが、今は「下水道課水路係」になっている。

まるまる太って美味しそうだ。
そういえば、最後に鯉を食ったのはいつだったか。

鯉の歌はたくさんあるが、佐藤佐太郎『形影』冒頭一連「鯉」の3首め。

・落葉朽ちしづめる水にをりふしに鯉をりて憂(うれひ)なき濁(にごり)をあぐる

まことに憂なき鯉だ。
岸に立つと寄ってくるのは、近所の人が餌をやっているのだろう。

ちいさいのは稚魚か。

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大阪の仕事場の近くにある「住友銅吹所跡」。
今は、三井住友銀行の事務センターか何かになっている敷地の隅の公開緑地的なところ。

別子その他で採掘された銅鉱が、粗銅の状態でここまで運ばれて純度の高い銅に精錬されていたということらしい。その過程で、微量に含まれる銀も取り出して製品になる。

江戸時代とはいえ、大都市の市中であるから、排煙の害なども軽微ではなかっただろう……と、近代になってからの大阪の煙霧(高安国世もそれで苦しんだ)との関連も思う。

住友の基礎は銅。

そして歌の世界では、住友関係といえば川田順や鈴江幸太郎。

鈴江幸太郎の歌集『白夜』(1949年)から「轉務」4首中2首。

・わが工場にけふも働く女學生のならぶうしろを事務室に入る

・あかあかと熔けたる銅のながれ落つ見つつ居りけり晝餉終ふれば

鈴江は、銀行系だったはずだが、戦時下の昭和18年には軍需で繁忙をきわめる住友電氣工業に転籍する。ほかに各地の鉱山を訪れる歌なども何首かある。
これは『夜の岬』(1969年)から。

・業(げふ)の末につながれば今日は入坑(にふかう)す元禄三年このかたの礦山(やま)

 

 

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20151018永田家柿

「塔」の割付・再校作業でした。二十数名でみっちりと…というより、おいしい差し入れをいただきながら、にぎやかに読みました。

今日話題になったのは、「せし」を直すかどうか。

例えば「愛せし」。これは正しいですね。サ変動詞「愛す」の未然形「愛せ」に、助動詞「き」の連体形「し」が付いています。これを「愛しし」とするのは誤りです。

でもサ変動詞は例外。通常は、助動詞「き」は連用形にくっつきます。

例1:「満たしし」=「満たす」(サ行四段活用)の連用形「満たし」+「き」の連体形「し」。これを「満たせし」とすると、文法的には誤りです。

例2:「乗せし」=「乗す」(サ行下二段活用)の連用形「乗せ」+「き」の連体形「し」。これは「乗せし」が正しいのでこのままでよいです。
サ変動詞とサ行四段活用の動詞を使う時に注意が必要なのです。が、誤用が広まって「愛しし」「満たせし」のような使い方も多く見られます。校正としては、直しているときりがありません。今日のところは作者の原稿の表記に従い、特には直さないことになりました。

ということで、誌面には間違った文法のまま載っているものもありますが、文語の「せし」を使う場合には、ちょっと立ち止まって、辞書を参照してみてください。

①使う動詞の活用の種類を確認(サ変か、サ行四段活用か)。
②使う動詞の活用形を確認。サ変なら未然形「~せ」+「し」=「せし」、
サ行四段なら連用形「~し」+「し」=「しし」

辞書の巻末には文語の動詞・助動詞の活用表がついている場合がありますし、「広辞苑」第6版には、文法表の載った別冊がついています。上の2ステップを踏むだけで、恥ずかしい間違いはなくなるでしょう。

人それぞれ「せし」が好きだったり「しし」が好きだったりと音の響きに好みがあり、誤用を気にしない場合も多々あります。が、誤用がどんどん広がるのを黙って見ているのもよくないですね。

以上、校正現場の悩みでした。

写真は、永田家の庭の大きな柿の木。まだ渋柿ですが、皮をむいてつるしておくとおいしい干し柿になるそうです。帰り際に「うまそうだな」と見上げていた数人に、
永田淳さんが脚立に乗って、もいでくれました。

 

昨年11月中旬の、IMGP3051窓から見るお向かいの山。

杉山の一部にきれいに紅葉してくれる雑木ゾーンがほぼ正面にあって、朝に夕に楽しみます。(右下の赤いのんが、五新鉄道「坂本トンネル」前の鉄橋)

山のゾーニングについては、そこだけ山主が違う、或いは、山火事の延焼防止(杉はすごく燃えるので…)に、と二通りの説を聞きましたが。今年の紅葉は少し早そう。名産の富有柿も半月早い出荷。

 

 

 

 

しっぽ短かっ!と笑ったいっぴき。

この時期、窓ガラスに部屋の壁に

なんびきもやもりんりん。ここに住むまで

見たことなくて、初めて見て、肉体感のなまっぽさに

ヒキまくった。やわ過ぎちゃう?糞すごいし(泣)。
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