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アーカイブ "2015年03月"


塔事務所近くの枝垂れ桜は、まだ咲いていない。
今日は少し寒い日だった。
13:00から事務所にて京都平日歌会。
参加者21名。東京、静岡、愛知、福井、長崎など、遠方から来て下さる方々がいてありがたい。
事務所は21名が座ると少し窮屈なのだが、歌会はそれくらいの方が盛り上がる。言いたいことを何でも遠慮せずに言える雰囲気が、何よりも大切だ。
16:00終了。
その後、近くの「ブランブリュン」に寄ってお茶。
すっかり日が長くなった。

13:00から永田家にて、4月号の再校と5月号の割付作業。
川端通りを車で走っていくと、柳が芽吹き、桜が咲き始め、もうすっかり春の暖かさである。
永田家2階の廊下に掛かっている高安国世の色紙が、初めて見るものに替わっている。
雨がふり雨がやみ
道が走っている
そのくり返しに
平野が暮れる

記憶にない歌だったので調べてみると、第9歌集『朝から朝』にあった。「雨の旅」という一連5首の最初の歌である。
今日は参加者18名。
赤飯のおにぎりや、粕汁、「田丸弥」の煎餅、チョコレートなどの差し入れをいただきながら、作業する。
16:30頃に雷がなって急に天気が悪くなり、雨が降り出す。
17:00終了。
照ノ富士の勝利を知って、白鵬—日馬富士戦をテレビで見せていただく。白熱した勝負を見終ってから帰った。

砂子屋書房のHPに連載されている一首鑑賞「日々のクオリア」(3月18日)に田附昭二さんの歌集『細き罅』の歌が引かれていました。
多忙の中届けくれたる娘の煮物かすかに焦げし香のまつはりて
松村由利子さんの文章です。
皆さん、どうぞお読みください。
http://www.sunagoya.com/tanka/?p=13186

三枝昂之さんの作品「春隣り」20首のなかに、『塔事典』を詠んだ歌がありました。
よみがえる坂田博義『塔事典』にひとひら淡き白梅が咲く
あたらしき一歩が含む遠き水「塔」という字のなかのアララギ

1首目は1961年に亡くなった歌人坂田博義のこと。『塔事典』には「坂田博義」のほか「坂田博義・清原日出夫論争」「『坂田博義歌集』」「坂田博義ノート」といった項目があります。
2首目は斎宮の忌み詞として「塔」を「あららぎ」と言うことを踏まえて、「アララギ」の水脈につながる「塔」の歴史を詠んだものです。
ありがとうございました。


今日は「塔」4月号の初校ゲラの取りまとめ作業。
東京・名古屋・京都・大阪・芦屋・鳥取の6か所に分けて行われた初校のゲラが、わが家に全部集まって来る。それらを合体させて、全体を見直し、空いている箇所を埋めていく。
3月号は200ページちょうどであったが、4月号は久しぶりに200ページを切るスリムな内容となる予定。しばらく充電期間である。

13:00から芦屋市民会館にて、芦屋歌会。
参加者21名。
前半は尾崎加代子歌集『樫の木小書』の批評会を行う。
皆さん丁寧に歌を読んでいて、歌集の特徴や魅力がよく伝わってくる内容であった。
遠住める子らを思へば親われは野の涯に立つ一本の樫
まだ暗き朝のなかぞらこがらしが研ぐとおもふまで細る寒月
老年の一日おだしき夕ぐれに油いためが喝采をする
夕焼けにあかく染まれる羽裏をたたみて鳩が架線にとまる
寝返りをうつ子は力ある背筋に胸上げ頭上げ空みあげをり

後半は歌会。
いつもより駆け足であったが、何とか予定通り17:00に終わる。
その後、建物内のレストランでお茶を飲んで18:00解散。

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