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アーカイブ "2013年02月"

 きょうは春を思わせるような暖かい日でした。もう明日から3月ですね。キッチンの窓に置いた「幸せの木」と称するさぼてん系の鉢。明るい光のほうへ茎をのばしているのをみつけました。

 3月の事務所の開所日をお知らせします。
 <3月の開所日>
     4日(月)13時〜16時
     8日(金)10時〜16時(但し、13時より初校作業)
    11日(月)13時〜16時
    18日(月)13時〜16時
    19日(火)13時〜16時
    25日(月)13時〜16時
    27日(水)13時〜16時
    28日(木)10時〜16時(但し、13時より京都平日歌会)
    どうぞご利用ください。

「塔」のバックナンバーに載った「八角堂便り」(選者のエッセイ)や「短歌時評」、あるいはインタビュー・講演・座談会などの記事を、塔のホームページで読むことができます。
「MENU」→短歌誌「塔」→「八角堂便り・短歌時評・新樹滴滴」または「塔アーカイブ」へとお進み下さい。短歌時評などは2009年5月号からのものが、またアーカイブには20点以上の記事が収められています。
皆さん、どうぞご利用下さい。

短歌の世界では一般に、書店などで売られている短歌雑誌(角川「短歌」「短歌研究」「歌壇」など)を「総合誌」、結社が発行している雑誌を「結社誌」、結社以外のグループの出す雑誌を「同人誌」と呼び分けている。
「総合誌」とは変な言い方だが、要するに「商業誌」のことだと思えばいい。結社誌と同人誌の違いは、選歌があるかないかの違いである。結社誌には選者がいるのに対して、同人誌は基本的に全員が対等な関係で成り立っている。
けれども、参加者がお金を出し合って雑誌を作っているという点では「結社誌」も「同人誌」も実は同じなのだ。短歌の世界以外の人から見れば、ともに「商業誌」に対する「同人誌」という扱いになるだろうと思う。
この「結社誌も広い意味では同人誌に含まれる」というのは当り前のことなのだが、意外と忘れられていることかもしれない。「塔」2月号の編集後記に永田淳さんが「結社誌はお金を出して買っている雑誌ではありません。お金を出して参加している集団です」と書いているのは、まさにその通り。
集団が大きくなるにつれて、どうしてもそうした意識が希薄になってしまうのだが、「自分たちの雑誌」に対して積極的に関わる気持ちが、結社誌にとって何よりも大切なのだと、最近、強く感じている。


日曜日に再校・割付作業で永田家に行ったところ、ベランダに猫のローリーがいた。普段は人の姿を見かけるとさっと逃げてしまうのだが、その日はなぜか逃げずに、甘えるような声でしきりに鳴いていた。 
  たつた一匹きみの知らない猫がゐる阿呆なれどおしやべりな
  黒白猫が        永田和宏(「歌壇」3月号)

最近、「塔」に続けて次のような歌が載った。 
獺祭といふ名の酒の届きたる獺越(うそごえ)の地につくられる
らし             高橋 窓(1月号) 
カワウソの絶滅を聞く夜の更けに三割五分の「獺祭」を飲む 
               鵜原咲子(2月号)
 
「獺祭(だっさい)」は山口県の旭酒造が出しているお酒。昨日校正をした3月号にも、「獺祭」の歌があった。
「獺祭」というネーミングがこうして目を引くのは、正岡子規の雅号の1つ「獺祭書屋主人」を思い出すからかもしれない。

13:00から永田家で3月号の再校と4月号の割付作業。
参加者18名。永田さんは所用により不在。
京都市伏見区にあるわが家から、左京区岩倉にある永田家までは、車で約50分。ひたすら北へ北へと車を走らせる。京都の南と北とでは天候や気温も随分と違う。永田家の庭の椿は雪をかぶっていた。

作業は17:00に無事に終了。
「塔」3月号は通巻698号。間もなく700号を迎える。

寒さが続きますが、みなさまお元気でしょうか?
昨日の旧月歌会も体調などでやすまれている方がおられました。
ご自愛ください。(そういえば旧月歌会の隣の部屋では好日短歌会がいつも歌会をされています。)
さて、先日、出かける前に、家のトイレが壊れて、外出先でどうしようかと悩んでいました。
そこで家にいた夫に、メールを・・
や・・・トイレどうなった?
と送ると、すぐに
ひ・・・ワイルドに直したぜい・・
と返信が!!!
隣にいた藤田さんにも見せて、二人で目を丸くしていました。
その後帰宅してみると、トイレを直し、誇りに満ちたドヤ顔の夫が!!
コーナンで蛇のような形の器具を購入しなおしたとか・・。
先日、洗濯機も買い換えたところなのでよかったです・・ほんとに。

「あなたが日本人なら、せめてこれくらいの歌は知っておいて欲しい」(「はじめに」)という近代短歌100首を、永田さんが選んで解説や鑑賞をつけた本です。先月、岩波新書から出たばかり。
〈その子二十(はたち)櫛にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな〉(与謝野晶子)、〈幾山河越えさり行かば寂しさの終(は)てなむ国ぞ今日(けふ)も旅ゆく〉(若山牧水)、〈人も 馬も 道ゆきつかれ死にゝけり。旅寝かさなるほどの かそけさ〉(釈迢空)など、教科書でもおなじみの歌がいっぱい載っています。
一般向けにわかりやすく書かれた本ですので、ふだん短歌を作っていない人にも楽しく読んでもらえると思います。もちろん、近代短歌について学びたいという人にも最適です。皆さん、どうぞお読みください。
今後『現代秀歌』執筆の予定もあるそうで、そちらも楽しみです。


1冊の「塔」の厚さは大体1センチ強くらいですが、その「塔」の元になっている原稿(皆さんの詠草用紙、歌集評、選歌欄評、歌会記など)の厚さ(高さ)は、なんと11.5センチ。
手書きの原稿には、人それぞれの個性があって、見ているだけでけっこう楽しくなってきます。

俳壇賞歌壇賞授賞式に初めて参加してきました。アルカディア市ヶ谷に、遅刻しながらもなんとか間に合いました。
今年の歌壇賞は「未来」黒瀬選歌欄の服部真里子さん。学生短歌会の先輩でもあります。「ここにいる人たちは短歌がなければ出会わなかった友人なんだな、と思って」「早稲田短歌会、ガルマン歌会のかたがたが居てくれたから短歌を続けられた」など、フレッシュで前向きな受賞のことばに、ハイパー後ろ向きで「短歌を辞める未来も十分にあるのですが」などと言っていた暗い僕は、椅子から転げ落ちそうになったのでした。
新年会では、大松さん、加藤治郎さんなどなど多くの方に初めてお会いできました。角川と来ている層が違っておもしろいですね。田中槐さんにはなぜか鞄を漁られました。あ、あと抽選で幸運にもデジカメが当たりました。遠くから行った努力がむくわれた瞬間です…。
ともかく、服部さんおめでとうございました。

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