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アーカイブ "2011年02月"

土屋文明には日付の入っている歌が多い。
  偶然かと問ふに答へず二月二十八日九十九里歌碑に寄り立ち
  写真を写す              『続々青南集』
昭和46年、文明80歳の歌である。
文明には一首だけでは意味がよくわからない歌が無数にある。一首の独立性なんて、全く気にしていない。この歌も、何が「偶然」で、どうして「二月二十八日」なのか、全然わからない。
でも、文明の歌をあれこれ読んでいると、けっこうわかってくる。まず、文明にとって「九十九里」と言えば左千夫である。伊藤左千夫の生家は千葉県の山武市(旧成東町)にあり、九十九里浜のすぐ近くなのだ。そのため、文明は何度か左千夫生家とともに九十九里浜を訪れている。つまり、この歌も左千夫絡みの内容ということになる。(つづく)

娘は今春から中学生。
期待と不安でいろいろなことを毎日言う。
新学期は親はうれしいけれど子どもにしたら新しい人間関係や、自分の居場所作りで大きなストレスだろう。
クラスの○○さんと○○さんが最近、大親友になったよと言う。
どうやって?
○○さんが○○さんにあることを言ったから。
それは?
○○さん、ハナゲ出てるよ!って。
みんな気づいていて言えなかったことを何も気にせず言ってあげたらしい。
言われた方はありがとう!と感謝しそれから大親友らしい。


昨日、第27回織田作之助賞の受賞式に行ってきた。歌壇関係以外の受賞式は久しぶり。
前回までは関西ゆかりの作家限定の受賞であったが、今回からそれが撤廃された。
大賞は金原ひとみさんの『トリップ・トラップ』
青春賞は香川みわさんの「おっさん」、青春賞佳作は森田弘輝さんの「逃げるやもりと追うやもり」。
会場の大阪綿業会館は重要文化財とのことで、素敵な建物だった。
全く知らない人ばかりだろうなぁ、と思いながら行ったものの、パラパラ知った顔がおられて一安心。ちなみに一昨年の全国大会にお越しいただいた辻原登さんが大阪文学振興会(主催者)の会長をされている。
金原さんは来月に第二子を出産予定とのことで、臨月での出席。司会者が臨月であることを紹介されるまで気付かなかった。
写真は携帯で撮ったので、かなり粗くなっちゃってます。

京都のギャラリー白川にて、「高安醇新作展―色彩の調和を求めて」が開催されます。高安醇さんの3年ぶりの新作展です。
高安醇さんは、「塔」を創刊した高安国世の息子さん。高安国世の歌にもよく登場している方です。
期間は3月19日〜4月20日。大作・小品を含めて約20点が展示されるとのこと。興味のある方は、ぜひご覧下さい。僕も行きます。

角川「短歌」3月号の巻頭に、永田さんの作品「二人の時間」30首が載っています。
また、角川「俳句」3月号にも、永田紅さんと櫂未知子さんの対談〈俳句・短歌に生きる「母」〉が載っています。他に櫂未知子選「俳人からみた河野裕子の歌50首」も。
「俳句」の方はまだ読んでいませんが、取り急ぎお知らせまで。

 きのうはお休みだったので、自宅から車で20分ほどの温泉へ行った。温泉といっても、スーパー銭湯のような施設で、受付で鍵を受け取り腕にはめて食事もフルーツ牛乳もその鍵のナンバーを読み取らせて清算するというシステム。くつろぎ着も貸してもらえる。
 岩盤浴、リラクセーション、ヘッドスパなどなどいろんなメニューがある。私が気に入ってるのは、ひとやすみスペース畳の大広間。お風呂あがりにくつろぎ着をきてごろ寝ができる。
 ちょっと海の家みたいな感じで、懐かしい。本を数冊とタオルケットを持って大広間で横になると、ぽかぽかして気持ちがよくて熟睡してしまった。気がつくと16時前で、すっかり湯冷めして風邪がぶり返した。リフレッシュのつもりが大失敗。
 入り口のところに梅が咲いていた。つぼみもたくさんついていてかわいかった。

今日は本屋さんに行ったり、四条烏丸の地下街でドーナツを食べたりした。クリスピー・クリーム・ドーナツという新しいお店。珍しく並ばずに買うことができた。砂糖とクリームがたっぷりでとても甘く、食感は柔らかい。
文房具屋でかわいらしい羊のシールを発見。裏返すと、眠れないときに羊を数えるのはSHEEP(羊)とSLEEP(眠る)の発音が似ているからだというようなひと言が添えられていて驚く。私が知らないだけだったら恥ずかしいのだけれど、これには本当にびっくり。ただ単に、むくむくしてかわいくて眠そうだから羊なのかと思っていた…。私も寝付きのよいほうではないので、毎晩いろいろなものを数える。一番よく数えるのは人間の表情(あるひとりのひとを決めて、私の頭の中で勝手に笑わせたり怒らせたりする)だが、逆に眠れなくなるのでまったくおすすめできない。今夜からはちゃんと羊を数えようと思う。

「塔短歌会賞」「塔新人賞」の締切が近づいてきました。2月末必着となっておりますので、応募される方は遅れないようにご注意ください。
応募要項は2月号P234に載っています。今年は記念すべき第一回。皆さんのご応募をお待ちしております。

滋賀県の日野町立図書館で、「河野裕子さんを偲ぶ企画展」が行われています。これは河野さんが大学卒業後の1年間、日野東中学校で先生をしていたことによるものです。期間は3月6日まで。
日野町ではちょうど同じ時期に「日野ひなまつり紀行」も開催中。これは150か所以上の商家や民家、施設などで、江戸時代から現在までの様々な雛人形が飾られるものです。
お近くの方は、どうぞ足を運んでみて下さい。

13:00から永田家にて3月号の再校と4月号の割付作業。参加者21名。お天気も良くて、もう春が近いような気がする。
永田家の二階にある3つのテーブルを全部使って作業する。席が足りずに床に座って校正する人もいる。ワイワイお喋りもしながら、でも真剣なところは真剣に、そして注意深く進めていく。
今日は途中で河野さんの追悼号関係の打合せなども行って、17:00に終了。随分と日が伸びたようで、帰りもまだ明るかった。

写真は、先日初めて訪れた深泥池。「みどろがいけ」または「みぞろがいけ」と呼ばれる京都市北区にある池である。永田さんや河野さんの歌集にも、しばしば登場する。
  氷河期の風も水面(みなも)も憶(おぼ)えゐる深泥池に添ひ
  ゆつくり歩く         河野裕子『京都うた紀行』

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