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アーカイブ "2010年05月"

 おととい近くにお住まいの知人から月曜日に蔵書を処分するためにブックオフのひとに来てもらう、というお電話を頂いた。きのうは午後から東京へ行くことになっていたので、午前のあいだにお宅へ伺い、ダンボールに1箱、約50冊の歌集、歌書をいただいた。
 軽い本をバッグに入れていこうとその中の1冊山中智恵子著『三輪山伝承』(紀伊國屋新書)を選んだ。重さは軽いけど、内容が重い。行きの新幹線では書かれている神様の名前をページを戻ったりしながら確認し、のろのろ読む。帰りにはどんどん面白くなってきて引き込まれながら半分くらいまできた。結構、行ったことのある地名や山城のこともでてきて親しみも湧く。三輪山、見に行ってみたいな。
 写真は30分くらいまえの月の様子。

昨夜は東京の如水会館で、第十五回寺山修司短歌賞・第六回葛原妙子賞の授賞式があった。東京に行くのも久しぶり。

寺山修司短歌賞は真中さんの『重力』、葛原妙子賞は川野里子さんの『幻想の重量―葛原妙子の戦後短歌』が受賞。東京近辺だけでなく遠く広島や関西からも多くの「塔」の会員が駈けつけた。
真中さんの『重力』については、選考委員の方々から「立ち向かうべき現実をもつ、目下数少ない歌人」(篠弘)、「職場の歌など、屈折した感情に共感するものがあった」(小池光)、「『思ふ』の多い歌集である」(花山多佳子)、「声と短歌固有の響きが伝わってきた」(樋口覚)、「全体像をけされた事や物のぶぶんだけをクローズアップした歌」(佐佐木幸綱)といった批評があった。

  それより世界変はりしと言へりひとびとはこぞりて言へり走りつつ
  言へり
  坂のなかばに汗をぬぐひてゐしきみを渋滞のバスはみたび追ひ
  越す
  死者が歳をとることがあるか成人した妹が夢にわれを打ちたり
  子のあれば豊かなる生とひとは言へど比べることのかなはねば
  思はず
  山の宿に地図かこみゐし四人のうち社に残る最後の一人となりぬ
三次会の途中で失礼して、23:40秋葉原駅前発の夜行バスに乗る。6:30京都駅前着。熟睡した。

真中さんの授賞式もあって今日は、夫は休みでした。
ので、「牧水シンポジウム」の用意で京都駅の方まで行き、準備をしていました。
お昼ごはんはコジャレたレストランへ。
牧水シンポジウムにたくさん来て下さるか心配気味な夫・・。
料理を食べながら
「だけど辺野古の問題は・・・鳩山さんは・・むにゃらむにゃら」
「中間テストの成績どうやろか〜」
「前衛短歌というのはな・・・むにゃむにゃ・・」
「小学校の遠足は延期らしいわ」
「宮崎牛はこれからどうなるのかのぉ・・・むにゃむにゃ」
とまとまらない会話をし、京都駅で夫と別れて帰りました。
帰ってラタトーユなるものを作ってみましたが、味がもう一つでした。
わが家の「ミカキモリ」が67点の古典のテストを持って帰ってきました。

塚本邦雄の『国語精粋記』の冒頭に京都の地名の美しさを述べたところがある(原文は旧字)。
  その昔、私の義兄は深草の聯隊の近くに居を構へて居た。数年
  で移転したので、訪れたのは、少年時代の二、三度に過ぎず、
  別に特筆すべき住家でもなかつた。(…)それはともかく、私は
  この住所を封筒にしたためる時、子供ながらも、ほとんど法悦
  に近い歓びを覚えたものだ。
    京都市伏見区深草極楽町四十九番地
  (…)こんな美しい地名の処に、いつか一度棲み、封筒の差出
  人の住所として、流麗な手跡で書けるなら、どんなに幸福なこ
  とかと夢みたものだ。
といった回想から始まり、京都の歴史ある地名が次々と挙げられていく。わが家のすぐ近くだ。
  (…)また桃山の北部から深草の東部、国鉄奈良線沿線にかけ
  ての「大亀谷」一円には、大亀谷金森出雲町、大亀谷内膳町、
  大亀谷六躰町、大亀谷敦賀町、大亀谷古御香町、大亀谷万帖
  敷町、大亀谷五郎太町が来歴を仄めかす。
以下、さらに京都の地名の話が続くのだが、わが「大亀谷大山町」はついに出てこないのであった・・・。無念。
やっぱり「大山」ではダメだよなぁ。

 狭いベランダの鉢に「ボリジ」というハーブの種を植えてみました。
投稿歌のなかにボリジがこぼれ種で咲いたという歌があり、そんなに元気な植物なんだと、気になっていました。
茎、葉は剛毛が生えますが、(ボリジは剛毛の意)花は美しい青で「マドンナブルー」「スターフラワー」ともいうらしいです。
古代の十字軍が遠征のときにこの花をワインに浮かべて飲んだらしいです。
ケルト語では「勇気」、ウェールズ語では「喜びの草」で効能はいろいろあり、抗欝剤的な成分があり、関節痛ややけど、アトピーなどの皮膚疾患にもいいらしい。
剛毛といえば、私はズッキーニが好きなんですが、ズッキーニの生えているところを初めて見たときは驚きました。剛毛の葉がワーッと生えてズッキーニがにょきーと実ってました。(京都府立植物園の入口に何となく植えてある)
ボリジの育つ速度は、ヒマワリなみで毎日観察するのが楽しいです。

アクセスカウンター40000突破!
昨年11月14日にホームページをリニューアルしてから194日目。
最近少しずつアクセスが増えているようです。
今後ともよろしくお願いします。

5月23日の毎日新聞「この人この3冊」の欄に、栗木京子さんが河野裕子さんの本についてお書きになっている。(→こちらで読めます)
わが家は毎日新聞は取っていないのだが、永田家に作業に行った時に読ませていただいた。紙面には栗木さんと河野さんを描いた和田誠さんのイラストも載っていた。

午後1時から永田家にて、6月号の再校と7月号の割付作業。久しぶりに自宅から永田家まで車を運転した。激しい雨の降るなか、約20名が参加。長野から用事があって京都にいらしていた小澤婦貴子さんも参加された。
差し入れの巻き寿司やお菓子などを食べながら、ワイワイガヤガヤ作業をする。今日は参加者が多かったため、ページ数の多さにも関わらず、再校も割付もスムーズに進んだ。いくつかの重要事項について永田さんとの打ち合せも済ませて、午後6時終了。皆さん、ありがとうございました!

朝日新聞(大阪本社版)の夕刊を読んでいて、びっくりした。
久保茂樹さんの写真が載っていたのだ。
文化面のテーブルトークという欄である。〈「俗な目〉大事にユーモア追求 歌人 久保茂樹さん〉というタイトルがあって、ちょっと真面目な表情をした久保さんの写真と第一歌集『ゆきがかり』の紹介記事が載っている。
  「ひどい」から「ひとでなし」までゆつくりと天動説の空は夕映え
                         /『ゆきがかり』
  重箱の隅に古女(ごまめ)を追ひ詰めてはや正月も六日となりぬ
  輪唱をしてゐるやうな竹林は山崎蒸留所を過ぎたるあたり
これを機に、久保さんの歌集『ゆきがかり』が多くの人に読まれると嬉しい。

15日の旧月歌会の帰り。
前田康子さんと荻原伸さんと3人で地下鉄の駅まで歩いた。
荻原さんはどことなく腰が引け気味。なぜ?
後できいたら、前田康子さんと私の2人が立っているだけで怖い、と。
なぜ?
丙午生まれの二人だから?
そういえば、以前、河野美砂子さんと立ち話をしているときにも
そばの男性から「なんか悪だくみしてそう、こわい」といわれたことがある。
男子は女子がいくつになっても怖いのか?
いや、どっちかというと、面倒くさいんだろう。
旧月歌会にもそんな歌が出てたなあ。
「勝たない勝てない勝ちたくない☆」
これは夫婦円満のための夫の心得だそうだ。
一昨日、NHKで云っていた。
今日、うちの11歳男子も
バスケットコートの取り合いで
女子にこてんぱんにやっつけられて帰ってきて
ぶつぶついってたなあ。

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