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アーカイブ "2009年11月"

京都は今日も晴れ。
たまたま立ち寄った本屋で、松下竜一『豆腐屋の四季』を見つける。
講談社文芸文庫の一冊として復刊されたようだ。
何度も読んだことのある本だが、復刊を喜んで購入。
家業の豆腐屋を継いだ青年の、短歌と散文とで綴られた青春の記録
である。最初の刊行は昭和43年。
  豆腐いたく出来そこないておろおろと迎うる夜明けを雪降りしきる
  雪ごもる作業場したし豆乳の湯気におぼろの妻と働く
  睫毛まで今朝は濡れつつ豆腐売るつつじ咲く頃霧多き街
  ひと釜の豆乳煮あげて仰ぐとき月にひそかに暈は生れいつ
  切り分くる豆腐五十の肌ぬくくほのかにしたし冷ゆる未明は
後に『風成の女たち』『砦に拠る』『ルイズ 父に貰いし名は』など
社会派のノンフィクション作家として知られるようになる松下竜一。
その出発点に短歌があったことは、不思議なような、それでいて
よく納得できることのような、そんな気がするのである。
生前の氏には一度だけお会いしたことがある。
大分市で開かれた小さな集会の場であった。
「医者には止められている」と言いながら、元気に熱く語っていた姿を
懐かしく思い出す。

今日は久しぶりに一日中、家で過ごす。
朝から続々と11月末締切の原稿がメールで届く。
日曜日に皆さん原稿を書き上げているのだろう。
今届いているのは1月号の分なので、短歌時評・誌面時評・選歌欄評など、どれも新しい執筆陣になっている。半年または一年間続く担当の第一回目というわけだ。
原稿の整理をしつつ、自分の原稿(高安国世の手紙)も書き上げる。
夕食前に息子とオセロの勝負。
手加減することなく本気でやっているのだが、なかなか手強い。
二回やって、一勝一引分け。
かろうじて面目(?)を保った。

 きょうはそんなに寒くもなさそうだったので、橿原市今井町へ行きました。
今井町は重要伝統的建造物群保存地区で、町の大半の町家が江戸時代の姿を残しています。江戸期に建てられた家に普通に暮らしている人たちがおられて、驚きでした。
 東西600m、南北310m。路地をくまなく歩いて回る時間がなかったので、車に自転車を積んで行って、交流センターに車を止めて自転車で散策。センターで無料の音声案内を借りたら、地元の人の声で案内が流れて面白かったです。徒歩用のガイドだったのでスピードがあわず、何度も行き過ぎて引き返しました。
 飛鳥川にかかる橋のたもとに立つ樹齢420年のエノキの木が雨みたいに葉を落とすのを木の内側から眺めていました。タイムスリップしたような1日。帰りに焼きたてのカステラを買ったら、すごくおいしかったです。いい歌ができたらいいなぁ。

家のベランダに出ると、伏見桃山城が見える。
徒歩で10分くらいの距離だ。
以前はそのあたり一帯に伏見桃山城キャッスルランドという遊園地があった。まだ小さかった子供を連れて何度か遊びに行ったが、2003年に閉鎖されて今では運動公園になっている。
2000年を過ぎた頃から、たくさんの遊園地が閉鎖になった。
関西だけでも、宝塚ファミリーランド、あやめ池遊園地、奈良ドリームランド、エキスポランドなど、子供を連れて遊びに行った場所が次々と姿を消した。僕が子供の頃に一番よく行った向ヶ丘遊園も閉鎖されたと聞く。それぞれに思い出のあった場所だけに寂しい。
  鑑真は寺を残してアメリカの残ししあとはドリームランド
        土屋文明『続青南集』
昭和39年、文明が奈良を旅行した際の歌。
奈良ドリームランドは昭和36年にディズニーランドを模倣して作られたそうなので、まだ出来たばかりの頃の歌ということになる。
唐招提寺とドリームランドという組み合わせに、何ともびっくりする。

半月ほど前に紫明通りで娘と拾った銀杏がごっそりとある。
永田淳流の食べ方は、一つずつ殻と渋皮(?)を剥いて塩を多めに入れたヒタヒタぐらいの水で水分が完全に蒸発するまでゆがく。甘納豆みたいな出来上がりで、晩酌のお供にとてもいいのだけれど、渋皮を剥くのがとても面倒。
どなたか簡単に向ける方法をご存じないですか?
拾って、掃除して、剥いて、調理して、と手間はものすごくかかるのだけれど、食べるのはあっという間。
食べるというのはとても大変だなぁ、と毎回思うのです。

印刷所から12月号の校正が3ページ分、ファックスで
送られてくる。4か所訂正を入れて返送。
12月号の作業はこれで終わり。あとは印刷・製本・発送を
待つばかりである。
夕食後、おやつのミックスナッツ(270グラム缶)を食べる。
アーモンド・マカデミアナッツ・ピスタチオ・カシューナッツ・
クルミ・ピーナッツ・ガルバンソー・ジャイアントコーンの
8種類のナッツが入っている。
何とも幸せな気分。

最近、音楽はもっぱらジャズ。
昨夜は雨のなか車を運転しながら
ハリー・アレンを聴いたらとてもいい気分になった♪
サックスがほんとうに人間が話しているみたい。
だれかの囁きが身体をつつみこむようなかんじ。
ところで、HPリニューアルして
入会申し込みもできるようになったので
いいペースで問い合わせや申し込みがある。
うれしいかぎり。
いろんなひととの出会いがありそうな予感がする。

今日の大阪はあたたかで
10歳男子は半袖で外にとびだしていった。

会員の方から、「塔」の人の作品や文章が載っている総合誌を
教えてほしいとの要望があったので、ざっとまとめてみたい。
「短歌」12月号
 ・作品10首「クロスボール」 江戸雪
 ・特集「新・短歌用語の基礎知識30」
    松村正直、前田康子、三井修、なみの亜子
 ・作品12首「ちょっとここで」 永田紅
 ・公募短歌館選 栗木京子
「短歌研究」12月号
 ・座談会「二〇〇九年歌壇展望」 栗木京子
 ・「総合誌作品展望」 吉川宏志
 ・「結社誌・同人誌」主要論文抄出集 花山周子
「歌壇」12月号
 ・作品20首「松林」 真中朋久
 ・「風土の歌人―岡部文夫」 三井修
 ・作品連載30首「芙蓉の前髪」 栗木京子
 ・「吉野秀雄の死生観」 川本千栄
 ・年間時評「評価の工夫」 吉川宏志
 ・特集「二〇〇九年のベスト百首」 花山多佳子
「短歌往来」12月号
 ・秋山律子歌集『或る晴れた日に』評 小林幸子
「短歌現代」12月号
 ・今月の作家21首「おおづかみの雲」 前田康子
 ・作品10首「ゆめあさがほ」 河野裕子
 ・森岡貞香の秀歌(五) 花山多佳子

朝方は曇っていたものの、昼前から晴れて暖かな一日。
今日も上着なしで出かける。
京都の町は大勢の観光客で賑わっていた。
午後1時から永田家で12月号の再校&1月号の割付作業。
参加者15名+子供2名。今日は人数が多くてスムーズに
作業が進んだ。遠く三重や芦屋から参加して下さる方もあり、
有難いことである。
1月号には選者4名による座談会「新聞歌壇をめぐって」が
掲載される。12月号も厚いが、1月号も厚くなりそう。
全部で212ページになる予定。これだけの分量をひと月で
読むのは、けっこう大変だ。
夕方、岩倉駅から叡山電車に乗ったところ、二両の電車が
大勢の乗客で満員だった。紅葉を楽しむ人で、今は叡電が
一年で最も混雑する時期なのだろう。

今日は雨でしたが、観光客はうちの近所にも多く来ているようでした。
親戚から、チルドの荷物が昨日、不在中に届いていて、勝手な情報で「すきやき肉」と思っていたのです。荷物を取りに行く前にあれこれ材料を揃え、家族の頭の中はすきやきで一杯に・・・。
それで取りに行ったら「いくら」でした!
今日は娘と人形の洋服を作っていました。小さいマフラーや、スカート(ゴスロリ風)ができました。
明日は校正。岩倉はちょっと寒そうです。

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