ブログ

年末年始の帰省は妻の実家に2泊、私のほうの実家に2泊。
甥っ子と歩いた裏山に「馬頭観音」がある。

生きものの死にしを祀(まつ)る人一人ありたるを知る馬頭観世音/宮柊二『若きかなしみ』

これは宮柊二の初期作品から。
「馬頭観音(馬頭観世音)」が道ばたにあるのは、人間のために仕事をしていた馬が、そこで斃れたのだと言われる。
今となっては薮に覆われてしまいそうな山道だが、なるほど馬を引いて行き来できないほどでもない。

海沿いの村と内陸の村をむすぶ、それなりの交通路だったのだろう。

石碑の建立は一人の仕事だったのか、そこで流通に携わる人々、あるいは村の総意に基づくものか。

牛馬商一同建てしとある墓の文字うすれたる「馬頭観世音菩薩」/村松建彦『ナナメヒコ』

いろいろな建立経緯はあるだろうけれど、少なくとも一人は、死んだ馬を思い、それ以後の通行の安全を願って、この場所で祈ったのだろう。

IMG_9592 - コピー

IMG_9604 - コピー

永田淳 にコメントする コメントをキャンセル

  • 永田淳 より:

    驟雨来て雫せり草木草木草木草木馬頭観世音  岡部桂一郞『一点鐘』

    というのもあります。

    • 真中朋久 より:

      これ「そうもくそうもくそうもくそうもく」でしょうか「くさきくさきくさきくさき」でしょうか?

      • 永田淳 より:

        そうもくそうもく・・・・と訓んでいましたが、今となっては確かめようがないですね。
        「くさき」より「そうもく」の方が音が柔らかな感じなので。

ページトップへ