零余子
去年の 12月号「八角堂便り」 に零余子のことを書いた。
今年もそういう時期になって、零余子がないかと見ているのだが、これがさっぱりなのだ。
杉おおう蔓引っぱると天罰のごとくムカゴがはらはらと降る/池本一郎『藁の章』
去年はもう、ちょっと触っただけでぽろぽろとこぼれてくるようなものを、つまんでつまんで、落とさないようにポケットに入れていた。
それがなぜ。
天罰か?
去年、採りすぎてしまったのか。
種ではなくて芋があれば蔓はのびるはずだから、そういうことではないだろう。
生り年・不生り年というのがあるものか。
私の嘆きが聞こえたのかどうか。
ある方が、零余子を送ってくださった。
それで今年も、なんとか零余子を味わうことができた。
曇り日の人に会わざりし暮れ方にふっくり匂うむかご飯炊く/古賀泰子『木造わが家』
ふっくり匂うむかご飯。むかごごはん。
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