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 行き行きて行き暮れんとす星に近くはるか灯ともすあれは町かも
                      永田和宏『華氏』
「五月六日~八日。ネバダ砂漠、ラスベガスを経てグランドキャニオン。」
という詞書がある作品である。1986年のことだろう。私もこの数か月後、
同じコースを通って、滞在していたアメリカから帰国しているので、
当時の記憶が鮮明によみがえってきた。アメリカはとてつもなく広くて、
特にこのあたりはただ、砂漠、土漠、岩漠が広がるのみ。
夕暮れ始めたころ、不意にきらきらと美しい光の帯が見えて驚く。
まるで、砂漠の中に一筋の銀河が現れたよう。それがラスベガスだった。

当時のラスベガスは小さくて、一時間も歩くと、砂漠に突き当たる、という
ような街だった。こんなところに博打とショーの街を作り上げるとは・・・。
アメリカ人らしいなあ、と驚いたのだけれど。

四年ほど前、再びラスベガスを訪れると、街区が大きく広がり、、
華麗ににぎわっていて驚いた。
このときは日本から空路で入ったのだけれど。陸路で行っていたら、
もう、砂漠の中にともる一筋の銀河、というような感慨はなくなっていたかも。

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