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買った本はすぐに読みたい。という人たちの願いをかなえようとしてなのか、
古本屋カフェ。
さらにそこは11時にスパイスのきいた美味しいカレーを出す。
午後1時半にわたしが到着したときにはもう売り切れていたが、
店内はスパイスの香りに充ちていた。
カウンターには何か企画の打合せをしている二人の男性がいる。
わたしは東横堀川の見える窓際の席についた。

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川沿いの小さな公園には黒い実をつけたクスノキの大木が立っている。
ときおり吹く風に揺れる葉や実はやわらかく光って
立春の今日を映している。
白に黒い斑のはいった猫が通り過ぎる。
すこし離れたところでは、
茶色い虎模様の猫は腹を地にすりつけて何かを狙っている。

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ひととおり観察が終わったところで
店の地下から持ってきて買った『ガラスのうさぎ』という児童書に目を落とした。
本の最初にこう書いてあった。

  戦争は、十二歳の私の心に
  大きな空洞をつくったのです。
  私は、それをうずめるため
  この作品を書きました。

読み始めるまえに、もういちど私は、
外の光を見た。
ほかに、必要なものは、何もない。

FOLK OldBookStore (北浜駅から500メートル)にて。

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