夜の貨物ターミナル
それほど熱中したことはないのだが、鉄道はわりあい好き。
「塔」では1年ほど「鉄道の歌」の連載コラムを書いたことがある。
鉄道趣味にもいろいろあるが、これを「詠みテツ」とか「読みテツ」という。
ここ数年、東京と大阪の間を往復しているのだが、早朝や深夜の東海道本線の駅で電車を待っていると、ほとんど数分おきに貨物列車が通過するようなことがある。昼間も20分とか30分に1本は貨物列車が来て、それも時刻が一定しているということがわかってくる。
そうすると、これはどこから来てどこまで行くのかが気になってきたりして、調べてみれば「貨物時刻表」なるものもあって、それを参照すると、北海道から来る便であったり、鹿児島へ向かう便であったり、そういうことがわかると、ずいぶんの距離を「ごくろうさま」という気分になるものだ。
ときどき寄り道をしたり、家の近所の貨物ターミナルを覗いてみたりする。
操車場夜の高き燈に照らされて白き煙のちぎれちぎれに飛ぶ/高安国世『虚像の鳩』
多くの貨物列車は、深夜に出発して早朝に到着する。
だから、昔も今も貨物駅は夜に忙しい。鉄塔の上の照明が皎々と照らしている。
昔と今の違うのは、蒸気機関車の煙が無いこと。
本線はほぼ電気機関車。
入替作業にディーゼル機関車が活躍するところも多いが、写真の大阪・百済貨物ターミナルは本線を牽引してきた電気機関車が直接入替作業まで行うところ。最新式の貨物駅だそうだ。
電気機関車が奥まで入るということは、架線が奥まで張ってあるということ。
そうすると、フォークリフトでコンテナを積み下ろしたりするときに危なくてしょうがないが、荷役中は架線に電気を通さないようにするのだとか。
コメントを残す