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約1年前に、この編集部ブログで アンの愛情 という記事を書きましたが、覚えていらっしゃる方はいますか?

「アンの愛情」に限らず、アン・シリーズには個性的で魅力的な人物が数多く登場するのですが、その中で「私の好きな登場人物」ベスト5には入るだろうと思われる人物が、この「アンの愛情」に登場するジェムシーナ伯母さん(Aunt Jamesina) です。
大学の2年目から友人と4人で「パティの家」を借りて(今風にいうとシェアして)暮らしはじめたアンですが、その世話役として来てくれたのがジェムシーナ伯母さんです。
(一緒に暮らしはじめた友人の一人、ステラの伯母さんです。)

このジェムシーナ伯母さんの言った言葉で、ずっと胸に響いているものがあるので、少し紹介したいと思います。
(日本語訳は、村岡花子訳「アンの愛情」(新潮文庫)による)

 わたしはもとある人を赦すことができますようにと祈ったものだけれど
 今になってみると、ほんとうはその女の人を
 赦したくなかったのだということがわかりましたよ。
 ようやくそれがわかると、そんなことを祈らなくてもその人を赦したいものだと
 心から思いましたよ。

 I used to pray that I might be enabled to forgive a certain person,
 but I know now I really didn’t want to forgive her.
 When I finally got that I did want to I forgive her
 without having to pray about it.

 「心意気ってどんなものか説明してくださらない、ジェムシーナ伯母さん」
 と、フィルが頼んだ。
 「いいえ、説明はしませんよ。
  心意気を持っている人はそれがどんなものかわかっているし、
  持っていない人にはわかりっこないんだから、
  説明する必要はありませんよ」

 ”Will you please define what gumption is, Aunt Jamesina? ”
 asked Phil.
 ”No, I won’t, young woman.
  Any one who has gumption knows what it is,
  and any one who hasn’t can never know what it is.
  So there is no need of defining it.”

原文が、意外にやさしい英語だというのも、なんだかうれしいことです。
そして、声に出して読んでみると、とてもリズミカルで心地よいです。

何かの折りに、ふとこのジェムシーナ伯母さんの言葉が頭によみがえることがあります。

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