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 きのう、帰宅したら留守電ランプがついていた。相手の人は携帯からなのか、雑音があったり途切れたりして聞き取りづらい。でもところどころ、「会費が」とか「発送が」など、気になる内容だったので、相手はわからないけれど掛けてみた。
 「藤田ですけど、お電話いただきましたか」
 「ああ。母がお世話になりました。藤田みち子の息子です」
 藤田みち子さんは昨年の11月に逝去された方。手違いで会費督促の葉書が届いたらしい。申し訳ない思いでしばらくお話する。
 そして、なりゆきで藤田さんの作品1年分をまとめて送ることになった。藤田同士だし、なにかのご縁だろうと思って昨年1年の作品を拾ってゆく。隣に自分の作品もあったりして、懐かしい。たった1年前のことなのに、すごく遠い気がした。
 藤田さんは白鷺や鴎がお好きだったのかなとか、数詞をよく使われていたのだななどと、今まで気づかなかったことを見つけながらゆっくりと打った。
 ・風に乗り来たる種子ならん白百合のきりり咲きおり庭に九本
            (塔2010年12月号 藤田みち子)
 

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