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 ブックカバーや栞をいただくことがあります。
 ポップな手作りだったり、古い着物を仕立て直してくださったり……。

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 それで、気付いたのですが、そのカバーのイメージが、いつしか本のイメージと重なってくるんです。つまり、あとでカバー無しでその本を読んだときにも、カバーの柄がちらつくといいますか。

 今は、ブックカバー自体に、文芸作品が掲載されていたりもしますよね。 
 ブックカバー。いつ頃からあるものなのでしょう~

曇天のやうな薄紙はがしつつ復刻本をさはる、みる、とづ
                        前川佐重郎『天球論』

卓上の本を夜更けに読みはじめ妻の挟みし栞を越えつ 
                        吉川宏志『夜光』 

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  • 澤村斉美 より:

    もしかしてと思ったのですが、このすてきな柄は、気仙沼の「ほどーる」さんのブックカバーでしょうか。職場の元上司が気仙沼出身で、その親戚の方々がほどーるを始め、古い着物をほどいてブックカバーなどを作っていると以前聞いたので。関西でも販売されていたことがありました。たしか、フランスにも出店したことがあったと。「ほどる」が「あたたまる」という意味の気仙沼弁だと知り、いい言葉だなあと印象深く覚えています。あ、全然ちがっていたらごめんなさい。

    • 梶原さい子 より:

       そのとおりです!「ほどーる」さんのブックカバーです。
       気仙沼ご出身の、澤村さんの上司でいらした方にいただきました。これも、また、短歌を通じての不思議なご縁でした。
       写真ですと、右からふたつめが「ほどーる」さんのカバーです。このカバーは、文庫の「柳田国男全集」と「万葉集」に交互にかけつつ、結構いつも持ち歩いています。だから、そういうイメージのカバーです。手に馴染んで、とてもいいのです。
       「ほどる」は、あったまる、という意味のこちら宮城の方言ですが、古語の「ほとほる(熱る)」から来てると思います。こちらの方言には、かなり、古語由来のものが多いんですよ。古語のはずなのに、方言そのままじゃないか、みたいな……。奈良・京の都から伝わってきた言葉が、大事に保たれている、という感じがします。

      • 澤村斉美 より:

        おおお、そうでしたか。つながりました。うれしいです。
        柳田国男全集と万葉集が交互とは最高! ブックカバー冥利に尽きますね。
        私もほどーるさんのカバーを一つ持っています。白地に青の線でさっぱりした模様、でも開くと内側は朱色なんです。主に、持ち歩き用の文庫…食に関するものが
        多い…にかけています。
        「ほとほる(熱る)」はじめて知りました。これまたいい言葉。用例を調べてみます。

  • 黒田長宏 より:

    梶原さんのブログに偶然連続コメントです。すいません。ブックカバーもブック本体を彩るものですが、短歌が本体だとするなら彩る方法が思い浮かんでしまいましたので、どうも発表しないと痒いのです。それは、塔には誰かの短歌を一首評にせよ、方舟にせよ、別の誰かが紹介したり批評したりする部分が必ずありますが、「誰が誰の短歌を紹介した」というのを全部検索でわかるようにする、誰かの名前を入力したら、他の誰かが紹介した箇所がわかるように出てくるという検索エンジンがあったら、紹介したのを見落としていても後でお礼出来たり、誰が誰の短歌を紹介しやすいかとか、傾向を分析できます。今のIT技術なら可能だと思います。私にはとても俳句と短歌でいろは歌をつくれと言われてもいくら時間を与えられてもとてもやる気が起きませんが、この、「誰が誰の短歌を紹介したか検索エンジン」は面白いと思いますので、編集部の皆様、実現したら何かください。

  • 小川和恵 より:

    わたくし、今、端布でブックカバーを作るのに凝っています。
    どの布とどの布を組み合わせて作ったら素敵かな?などと考えながら作るのは、とても楽しいです。
    文庫本用、新書用と作って、この前は歌集によくあるサイズ(○○版とか言うのだろうけど、忘れた(^^ゞ)のにも挑戦してみました。
    栞紐に細い革紐やリボンを利用したりして、工夫するのも楽しいですよ。
    ブックカバーが話題になっていたので、思わず出てきてしまいました。
    真っ直ぐ縫うだけで、結構簡単なので、興味のある方は是非!

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